国への『野宿生活者経済的自立支援策』

要望活動に賛同の署名を

 全国的な野宿生活者の増加に国はようやく重い腰を上げ、ホームレス問題連絡会議を今年2月から発足させ、対策の検討に入りました。そのこと自体は評価されますが、いたって自治体の側に「待ち」の姿勢をもたらすというマイナス面も生じています。また、関係自治体からは、簡便に野宿生活者を排除できる法整備を求めるなど、野宿生活者にとってさらに不利になる動きもあります。

 そこで、釜ヶ崎反失業連絡会は、国に対し野宿生活者の立場からの要求を提出することにしました。

 要望項目が実現するためには、多くの人々、団体の支えが必要です。賛同の署名で、あなたのお力を添えていただきますようお願い申し上げます。

野宿を余儀なくされている労働者の経済的自立援助に関する要望(要旨)

  1. 大阪市に対し、今年度野宿生活者対策費として100億円を早急に交付されたい。
  1. 野宿状態からの早急な「救済」がはかられるべきです。野宿生活者対策の本格実現までの過渡的(6ヶ月間)対策として「ドヤ券」「食券」を発行する費用の負担を求めます。{ドヤ代1,300円+(食券500円×2食)}×30日×8,000人×6ヶ月=33億1200万円

  2. 大阪市が実施している日雇労働者雇用創出事業は、1日三千人に拡大される必要があります。一日3千人の就労確保と日雇雇用保険を組み合わせれば、総数6千人が野宿状態から脱することができます。一人当賃金6,200円×3,000人×26日×12ヶ月=58億320万円。間接事業費見込み 6億円。(労働者の収入見込み=手取り賃金5,700円×13日+アブレ手当4,100円×11日=119,200円)

B残り2億3480万円「生活ケアセンター事業や無料低額診療事業をはじめ各種の地域福祉対策事業に対する国庫補助等」に充当されるものとしています。

(2)野宿生活者支援法(案)の成立をはかられたい。

 生活保護法に就労対策を組み込んだものとしての「野宿生活者支援法」を提案しています。「野宿生活者支援法」では、「野宿生活」の現状に対して「支援」が行われるものであり、扶養親族の有無・過去の経歴・国籍等により制限されないことを明確にし、事業の費用は、全額国庫負担とするとしています。

 具体的な対策は、各自治体で事情が異なるので、各自治体において野宿生活者の代表や支援団体を加えて「野宿生活者支援センター」を設置し、そこで検討・立案・実施することを提案しています。ただし、一定の基準を全国的に保障するために、『@野宿生活者からの相談があった当日から対応できる食と居住空間の提供事業 A野宿生活者が相談日から10日以内に就労可能な職業斡旋事業 B野宿生活者への医療相談事業』については、最低限度のものとして実施することとしています。

 また、市民互助活動の育成、社会的連帯意識向上のため、NPO法による法人格を取得している野宿生活者支援団体に対する法人の寄付は経費算入を認め、個人によるものは税額控除対象に算入するものとすることとしています。

(3)ホームレス問題連絡会議に大蔵省・通産省を加えられたい。

 たとえば、「プラスチック類製造・使用税」の新設とそれを財源とした「リサイクルセンター」の全国展開のようなことを検討されたい。勿論、野宿生活者への雇用創出の一環として。

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