11、附録

 職業紹介法 (昭和1341日法律第61号)

       改正昭和15331日法律第74号(い)

第1條 政府は、労務の適正なる配置を図る為、本法に依り職業紹介事業を管掌す

第2條 何人と雖も職業紹介事業を行ふことを得ず

第3條 政府は、職業紹介事業に併せて、職業指導及必要に応じ職業補導其の他職業紹介に関する事項を行ふものとす

前項の規定に依る職業紹介及職業指導は之を無料とす

第4條 政府は、前條に規定する事業を行ふ為、職業紹介所を設置す

職業紹介所の業務を補助せしむる為、職業紹介所に連絡委員を置く

職業紹介所及連絡委員に関する規程は、勅令を以て之を定む

第5條 市町村長(勅令を以て指定する市に在りては区長)は、命令の定むる所に依り、職業紹介所の業務の一部を行ふ

第6條 第3條に規定する事業に関し、職業委員会を置く

職業紹介委員会に関する規程は、勅令を以て之を定む

第7條 削除

第8條 労務供給事業を行はんとする者、又は、労務者を雇用する為、労務者の募集を行はんとする者にして命令の定むるものは、地方長官(東京府に在りては東京府知事及警視総監とす)の許可を受くべし

前項の労務供給事業、及、労務者の募集に関し必要なる事項は、命令を以て之を定む

第9條 左の各号の1に該当する者は、6月以下の懲役又は5百円以下の罰金に処す

1、第2條の規定に違反し有料又は営利を目的とする職業紹介事業を行ひたる者

2、第8條の規定に依る許可を受けずして有料又は営利を目的とする労務供給事業を行ひたる者

第10條 第8條の規定に依る許可を受けずして、労務者の募集を行ひたる者は、百円以下の罰金又は拘留に処す

第11條 法人又は人の代理人、使用人其の他の従業者が、其の法人又は人の業務に関し、前條の違反行為を為したるときは、其の法人又は人は、自己の指揮に出でざるの故を以て其の処罰を免るることを得ず

第12條 本法の罰則は、其の者が法人なるときは理事、其の他の法人の業務を執行する役員に、未成年者又は禁治産者なるときは、其の法定代理人に、之を適用す、但し、営業に関し成年者と同一の能力を有する未成年者に付ては此の限に在らず

第13條 前2條の場合に於ては、懲役又は拘留の刑に処することを得ず

第14條 町村制を施行せざる地に於ては、本法中町村長に関する規定は町村長に準ずべきものに之を適用す

第15條 第2條の規定は、主務大臣の指定する職業紹介事業には之を適用せず

前項の職業紹介事業に関し、必要なる事項は命令を以て之を定む

第16條 本法は船員職業紹介事業には之を適用せず

附則

第17條 本法施行期日は勅令を以て之を定む(昭和13年勅令第448号を以て同年71日より施行)

第18條 従前の規定に依り設置したる職業紹介所に付ては、本法施行の日より1年を限り職業紹介委員会に関する規定を除き、仍従前の例に依る

第19條 地方長官は、主務大臣の認可を受け、前條の職業紹介所の廃止を命ずることを得

第20條 本法施行の際、現に行政官庁の許可を受け職業紹介所を設置する者は、命令の定むる所に依り、当分の内、無料の職業紹介事業を行ふことを得

第21條 本法施行の際、現に行政官庁の許可を受け、有料又は営利を目的とする職業紹介事業を行ふ者は、命令の定むる所に依り、引続き其の事業を行ふことを得

前項の職業紹介事業の施設を、相続に因り承継したる者は、命令の定むる所に依り、地方長官(東京府に在りては東京府知事及警視総監とす)の許可を受其の事業を行ふことを得、此の場合に於ては、相続開始の日より一月以内に許可を申請すべし

前項の者は、前項の申請に対する許可又は不許可の処分ある迄、其の事業を行ふことを得

第22條 本法施行の際、現に第8條の規定に依り許可を受くべき労務供給事業又は労務者の募集を行ふ者は、本法施行後二月以内に地方長官(東京府知事及警視総監とす)に許可を申請すべし

前項の者の申請に対する許可又は不許可の処分ある迄、其の事業又は募集を行ふことを得

附則(昭和15年法律第74号)

本法は昭和1541日より之を施行す

職業紹介法施行令(昭和13629日・勅令第449号)

    改正 昭和15331日勅令第百26号(い)

  1條 職業紹介法第5條の規定に依り指定すること左の如し

東京市 京都市 大阪市 横濱市 神戸市 名古屋市

第2條 道府県市町村は、「職業紹介所」の紹介に依り就職する者に対し、其の者の現在地より就業地に到る旅費、支度金其の他就職に関し、必要なる費用の全部又は一部を貸付することを得(い)道府県市町村は、「職業紹介所」の紹介に依り雇用せられたる日雇労務者に対し、予め当該雇用者の委託を受け、北海道地方費、府県費又は市町村費を以て、賃銀の一時繰替を為すことを得(い)

第3條 町村制を施行せざる地に於ては、本令中町村に関する規定は、町村に準ずべきものに之を適用す(い)

附則

本令は昭和1371日より之を施行す

附則(昭和15年勅令第126

本令は昭和1541日より之を施行す

職業紹介法施行規則(昭和13629日・厚生省令第15号)

   改正 昭和1621日 厚生省令第2号(い)

1條 職業紹介法第5條の規定に依り市区町村長の行ふ国民職業指導所の業務左の如し(い)

1、労務の需給に関する査察を行ひ、之を所轄国民職業指導所に通報すること

2、国民職業指導所に直接申込むことの困難なりと認むる求職の申込に付、之を所轄国民職業指導所に取次ぐこと

3、求人者又は求職者の身元調査其の他に関し、国民職業指導所より照会ありたる場合、之を調査し回答すること

4、国民職業指導所の通報する求人に付、之を一般に周知せしむること

5、前号の場合、其他必要ある場合、市区町村民に対し就職の指導保護を為すこと

市区町村長前項の業務を行ふ場合に於ては、所轄国民職業指導所長の指揮する所に依るべし(い)

2條 連絡委員は、市区町村長の行ふべき国民職業指導所の業務に付、市区町村長を補助するの外、国民職業指導所より、特に補助すべきことを求められたる事項に付、国民職業指導所を補助すべし(い)

附則

本令は昭和1371日より之を施行す

職業紹介委員会官制(昭和13629日・勅令第453号)

     改正 昭和1619日勅令第32号(い)昭和17111日勅令第781号(ろ)

第1條 職業紹介委員会は、中央職業紹介委員会及道府県職業委員会とす、中央職業紹介委員会は厚生大臣、道府県職業紹介委員会は地方長官(東京府に在りては警視総監以下同じ)の監督に属す

委員会は、職業委介法第3條に規定する事業に関し、関依行政庁の諮問に応じ意見を開申す

委員会は、前項の外関依行政庁の諮問に応じ、失業対策に関する重要事項を調査審議す(い)

委員会は、職業係介法第3條に規定する事業に関し関係行政庁に建議することを得

2條 中央職業紹介委員会は厚生省に之を置く

道府県職業紹介紹員会は、道府県毎に之を置き道府県の名を冠す

3條 委員会は会長及委員を以て之を組織す

第4條 中央職業紹介委員会の会長は、厚生大臣、道府県職業紹介委員会の会長は地方長官を以て之に充つ

5條 中央職業紹介委員会の委員は40人以内とす(い)

道府県職業紹介委員会の委員の定数は厚生大臣之を定む

2項の定員の外必要あるときは臨時委員ら置くことを得

6條 中央職業紹介委員会の委員及臨時委員は厚生大臣の奏請に依り内閣に於て之を命ず

道府県職業紹介委員会の委員及臨時委員は厚生大臣之を命ず

委員中には使用者側を代表し得る者及労務者側を代表し得る者を各同数加ふることを要す

7條 委員の任期は2年とす但し特別の事由ある場合に於ては任期中之を解任することを妨げず

8條 会長は会務を総理す

会長事故あるときは中央職業紹介委員会に在りては厚生大臣の指名する委員、道府県職業紹介委員会に在りては地方長官の指名する委員会長の職務を代理す

第9條 委員会に幹事を置く中央職業紹介委員会の幹事は厚生大臣の奏請に依り内閣に於て之を命じ道府県職業紹介委員会の幹事は地方長官之を命ず幹事は会長の指揮を承け庶務を整理す

第10條 委員会に書記を置く中央職業紹介委員会の書記は厚生大臣、道府県職業紹介委員会の書記は地方長官之を命ず

書記は会長及幹事の指揮を承け庶務に従事す

附則

本令は昭和1371日より之を施行す

昭和11年勅令第281号職業紹介委員会官制は之を廃止す

附則(昭和16年勅令第32号)

本令は公布の日より之を施行す

失業対策委員会官制は之を廃止す

附則(昭和1711月勅令第781号)

本令は公布の日より之を施行す

 

無料職業紹介事業規則(昭和13629日・厚生省令第16号)

   改正 昭和1621日厚生省令第3号(い)昭和17111日厚生省令第52号(ろ)

第1條 本令は職業紹介法第20條の規定に依る無料の職業紹介事業に之を適用す

第2條 無料の職業紹介事業を行ふ者(以下経営者と名す)は、従前許可を受けて設置したる職業紹介所の位置、設備、職員定数、及、主として紹介せんとする職業の種類に依り其の事業を行ふものとす

第3條 経営者は、其の事業所の位置若は設備、職員定数、又は、主として紹介せんとする職業の種類を変更せんとするときは、事業所所在地を管轄する地方長官(東京府に在りては警視総監以下同じ)の許可を受くべし(ろ)

第4條 経営者は、其の事業所の名中に、職業紹介所又は国民職業指導所、若は、之に類する文字を用ふることを得ず(い)

第5條 経営者は、何等の名義を以てするを問はず、報償として手数料其の他の財物又は利益を受くることを得ず

第6條 経営者、其の住所又は氏名(法人なるときは其の事務所の所在地若は名名)を変更したるとき又は其の事業を廃止したるときは、7日以内に事業所所在地を管轄する地方長官に届出づべし

経営者死亡したるときは、其の相続人又は戸主より、経営者たる法人解散したるときは、清算人より前項に準じ届出づべし

第7條 経営者は、事務所に別表の様式に依る左の票簿を備へ日日紹介に関する事項を記載すべし

1、求人票

2、求職票

3、紹介日計簿

第8條 経営者は、毎月5日迄に、前月の事業状況を別表の様式に依り事業所所在地を管轄する地方長官に届出づべし

第9條 地方長官は、監督上必要ありと認むるときは、業務に関する諸般の報告を為さしめ書類、帳簿を徴し及実地に就き業務を検閲することを得

第10條 地方長官は、経営者が本令に違反し又は公益を害し若は害するの虞ありと認むるときは、其の事業の全部若は一部の停止又は廃止を命ずることを得

附則

本令は昭和1371日より之を施行す

経営者は其の設置したる職業紹介所廃止の日より15日以内に事業所の名名を事業所所在地を管轄する地方長官に届出ずべし

附則(昭和16年厚生省令第3号)

本令は公布の日より之を施行す

附則(昭和17年厚生省令第52号)

本令は公布の日より之を施行す

(様式省略)

営利職業紹介事業規則(昭和13629日厚生省令第17号)

  改正 昭和151115日厚生省令第48号(い)昭和1621日厚生省令第4号(ろ)

第1條 本令は、職業紹介法(以下法と名す)第21條の規定に依る、有料又は営利を目的とする職業紹介事業に之を適用す

第2條 有料又は営利を目的とする職業紹介事業を行ふ者(以下紹介業者と名す)は、其の事業所位置、主として紹介せんとする職業の種類、手数料額若は其の領收方法又は法人の定款、若は、理事其の他の法人の業務を執行する役員を変更せんとするときは、事業所所在地を管轄する地方長官の許可を受くべし

前項の許可の申請書は、事業所所在地を管轄する国民職業指導所長(以下国民職業指導所長と名す)を経由すべし(い、ろ)

第3條 紹介業者及其の同居の戸主、家族は、宿屋、料理屋、飮食店、貸座敷、待合、藝妓屋、遊戯場、藝妓娼妓酌婦、若は、之に類するものの、周旋業、労務供給事業、質屋、古物商、金錢貸付業、其の他之に類する営業を為し、若は其の営業者の従業者となり、又は、労務者の募集従事者となることを得ず、但し、地方長官支障なしと認めて認可したるものは此の限に在らず(い)

前項の規定は、紹介業者が法人なるときは理事、其の他の法人の業務を執行する役員に、未成年者なるときは、其の法定代理人に、之を準用す、但し、其の営業に関し成年者と同一の能力を有する未成年者の法定代理人に付ては此に限に在らず

第4條 紹介業者は、其の事業所の名中に、職業紹介所若は国民職業指導所長又は之に類する文字を用ふることを得ず(ろ)

第5條 紹介業者は、未成年者、禁治者、準禁治者、又は、妻に付ては、其の法定代理人、後見人、保佐人又は夫の承諾あるに非ざれば、之を紹介することを得ず、但し、已むを得ざる事由に因り其の承諾を得ること能はざる場合に於て、本人を保護する者、承諾あるときは此の限に在らず

第6條 紹介業者は、許可を受けたる手数料の外、何等の名義を以てするを問はず、報償として財物其の他の利益を受くることを得ず

第7條 紹介業者は左に掲ぐる行為を為すことを得ず

1、事業に関し誇大又は虚偽の広告又は掲示を為すこと

2、紹介に関し事実を隱蔽し又は虚構し其の他不正の手段を用ふること

3、求職者の意思に反して紹介を為すこと

4、求職者を宿泊せしむること

5、金品を給与し又は貸付けて就職を誘導すること

6、被雇中の者を勧誘し他に紹介すること

7、事業所外に於て被雇者たることを勧誘すること

8、求職者を誘引する者に対し何等の名義を以てするを問はず財物其の他の利益を供与すること

9、紹介に依る雇雇の当事者間に於ける財物の授受に関与すること

10、求職者に対し其の財物の保管を求め又は保管したる財物の返還を故なく拒むこと

11、求職者に対し財物の売買又は質入を勧誘すること

12、求職者の財物を買受けて不当の利益を得ること

13、藝妓、娼妓、酌婦又は之に類するものの周旋を為すこと

14、求職者に対し風俗を紊る虞ある行為を為すこと

15、求職者に対し遊興を勧誘し又は其の案内を為すこと

16、紹介に関し知得したる人の秘密を漏洩すること

17、事業所に掲示するものの外求人又は求職に関する広告を為すこと(い)

第8條 紹介従業者を使用するときは、使用の開始の日より5日以内に其の本籍、住所、氏名、年齢及履歴を国民職業指導所長に届出づべし(い、ろ)

3條第1項、前條第9号乃至第十6号及其の罰則の規定は従業者に之を準用す

第9條 左の各号の1に該当せるときは、紹介業者は7日以内に国民職業指導所長に届出づべし(いろ)

1、紹介業者の本籍、住所、氏名(法人なるときは其の名、主たる事務所の所在地、理事其の他の法人の業務を執行する役員の住所又は氏名)又は事業所の名を変更したるとき

2、紹介業者廃業したるとき

3、従業者の使用を罷めたるとき

4、従業者の住所又は氏名に変更ありたるとき

5、従業者死亡したるとき

紹介業者死亡したるときは其の相続人又は戸主より、紹介業者たる法人解散したるときは清算人より前項に準じ届出づべし

第10條 法第21條第2項の規定に依り許可を受けんとする者は、左に掲ぐる事項を具し戸籍抄本を添へ事業所所在地を管轄する地方長官に申請すべし

1、本籍、住所、氏名、年齡及履歴

2、被相続人の氏名並に事業所の位置及名

3、被相続人との続柄及相続開始の事由

4、主として紹介せんとする職業の種類

5、手数料額及其の領收方法

2條第2項及第3項の規定は前項の場合に之を準用す

第12條 紹介業者は、事業所に別表の様式に依る左の帳簿を備へ日日紹介に関する事項を記載すべし(い)

1、求人簿(様式第1号)

2、求職簿(様式第2号)

3、紹介日計簿(様式第3号)

4、手数料收受簿(様式第4号)

前項の帳簿は最後の記載を為したる日より3年間之を保存すぺし

第13條 紹介業者は、毎月5日迄に前月の事業状況を事業所每に様式第5号に依り国民職業指導所長に届出づべし(い、ろ)

第14條 当該官吏は、紹介業者に対し書類、帳簿の提示を命ずることを得

第15條 地方長官必要ありと認むるときは、手数料額又は其の領收方法の変更を命ずることを得

第16條 地方長官は左の各号の1に該当するときは、其の事業を停止し又は許可を取消すことを得

1、紹介業者本令若は本令に基く命令又は之に基きて為したる処分に違反したるとき

2、紹介業者正当の事由くなして6月以上其の業務を行はざるとき

3、前各号の外紹介業者事業を行ふに適せずと認むるとき

第17條 国民職業指導所長は、従業者職業紹介業務に従事せしむるに適せずと認むるときは、其の使用を禁止することを得(い、ろ)

第18條 左の各号の1に該当する者は拘留又は科料に処す

1、第2條第1項、第3條乃至第7條、第8條第1項、第9條、第11條又は第12條の規定に違反したる者(い)

2、第11條第1項の帳簿に虚偽の記載を為したる者

3、第13條、第14條又は第16條の規定に基く命令に違反したる者

4、第15條の規定に依り事業を停止せられたる者にして其の停止期間中事業を行ひたる者

第19條 本令の罰則は、其の者が法人なるときは、理事其の他の法人の業務を執行する役員に、未成年者又は禁治産者なるときは、其の法定代理人に、之を適用す、但し、其の事業に関し成年者と同一の能力を有する未成年者の法定代理人に付ては此の限に在らず

紹介業者は、従業者、同居の戸主、家族又は雇人にして其の事業に関し前條の違反行為を為したるときは、自己の指揮に出でざるの故を以て其の処罰を免るることを得ず

第20條 本令に定むるものの外、必要なる事項は地方長官之を定む

第21條 令中、地方長官とあるは、附則第3項を除くの外、東京府に在りては東京府知事及警視総監とす

第22條 本令は、法第15條第1項の規定に依り指定する職業の職業紹介事業には之を適用せず

附則

本令は昭和1371日より之を施行す但し第2條第3項及其の準用に関する規定は昭和1441日より之を施行す

大正14年内務省令第30條営利職業紹介事業取締規則は之を廃止す

12條の規定に依り職業紹介所長に為すべき届出は昭和14331日迄は事業所所在地を管轄する地方長官に之を為すべし

附則(昭和15年厚生省令第48号)

本令は昭和151120日より之を施行す

附則(昭和16年厚生省令第4号)

本令は公布の日より之を施行す

 (様式省略)

労務供給事業規則(昭和13629日・厚生省令第18号)

改正 昭和151115日厚生省令第49号(い)、昭和1621日厚生省改正令第5号(ろ)、同年1229日厚生省令第71号(は)、昭和19927日厚生省令第34号、同201022日厚生省令第42

第1條 本令は、職業紹介法(以下法と名す)第8條の規定に依る労務供給事業に之を適用す

第2條 法第8條第1項の規定に依り許可を受くべき労務供給事業は、労務者を有料にて又は営利の目的を以て供給する事業とす(い、は)

第3條 労務供給事業の許可を受けんとする者は、左に掲ぐる事項を具し事業所所在地を管轄する地方長官に申請すべし

1、本籍、住所、氏名、年齡及履歴、法人なるときは其の名、主たる事務所の所在地、定款、理事其の他の法人の業務を執行する役員の住所、氏名及履歴

2、事業所の所在地及名

3、主として労務者を供給する区域又は労務者の主たる供給先(い)

4、所属労務者の職種別員数(い)

5、所属労務者に支給する賃金其の他の給与の額及支給方法(い)

6、供給に依る收益方法又は報償の額若は率(い)

7、他の労務供給事業を行ふ者に対し所属労務者を供給する場合の利益の配分方法(い)

8、他の者より供給を受けたる労務者を供給する場合の利益の配分方法(い)

9、所属労務者の業務上の負傷、疾病、死亡等に対する扶助其の他の措置

10、所属労務者に対する金品の貸付及回收方法

11、所属労務者の宿泊施設を設くるときは其の所在地、構造(平面図添付)、宿泊定員及宿泊料額

12、所属労務者に対する福利施設を設くるときは其の内容

13、作業請負業を兼業するときは其の概要

第4條 労務供給事業を行ふ者(以下供給業者と名す)は、事業所の所在地、前條第3号乃至第12号の事項又は法人の定款若は理事其の他の法人の業務を執行する役員を変更せんとするときは事業所所在地を管轄する地方長官の許可を受くべし(い)

第5條 前2條の許可の申請書は、事業所1道府県内に数事業所を設くるものに在りては、其の道府県内に於ける主たる事業所所在地を管轄する国民職業指導所長を経由すべし(い、ろ)

第6條 供給事業及其の同居の戸主、家族は、宿屋、料屋、飮食店、貸座敷、待合、藝妓屋、遊戯場藝妓娼妓酌婦、若は、之に類するものの周旋業、質屋、古物商、金錢貸付業其の他之に類する営業を為し、又は其の営業者の従業者となることを得ず、但し、地方長官支障なしと認めて認可したるものは此の限に在らず(い)

前項の規定は、供給業者法人なるときは、理事其の他の法人の業務を執行する役員に、未成年者なるときは、其の法定代理人に之を準用す、但し、営業に関し成年者と同一の能力を有する未成者の法定代理人に付ては此の限に在らず

第7條 供給業者は、未成年者、禁治産者、準禁治産者、又は、妻にして其の法定代理人、後見人、保佐人又は夫の承諾なき者を、所属労務者と為すことを得ず、但し、巳むを得ざる事由に因り其の承諾を得ること能はざる場合に於て、本人を保護する者の承諾あるときは此の限に在らず

第7條の2 供給業者は年齡14年未満の者を所属労務者と為すことを得ず

第7條の3 供給業者、厚生大臣又は地方長官の指定する範囲の労務者を所属労務者たらしめんとする場合に於ては、当該労務者の居住地を管轄する勤労署長の承認又は地方長官の指定する国体の指示を受くべし

第7條の4 地方長官、国民職業指導所長又は地方長官の指定する団体、労務調整上必要ありと認むるときは、供給業者に対し、所属労務者の供給先、供給人員、其の他供給に必要なる事項を指示することを得

第7條の5 供給業者、前條の規定に依る指示を受けたるときは、其の指示に従ふことを要す

第8條 供給業者は、左に掲ぐる行為を為すことを得ず

1、事業に関し誇大又は虚偽の広告又は掲示を為すこと

2、所属労務者の意志に反して供給を為すこと

3、金品を給与し又は貸付けて所属労務者たることを勧誘すること

4、被雇中の者を勧誘し所属労務者とすること

5、所属労務者に対し其の財物の保管を求め又は保管したる財物の返還を故なく拒むこと

6、所属労務者に対し財物の売買又は質入を勧誘すること

7、所属労務者の財物を買受けて不当の利益を得ること

8、所属労務者に対し風俗を紊る虞ある行為を為すこと

9、所属労務者に対し遊興を勧誘し又は其の案内を為すこと

10、所属労務者の外出、通信若は面接を妨げ其の他所属労務者の自由を拘束し又は苛酷なる取扱を為すこと

11、当該官吏又は所属労務者を保護する者に対し所属労務者を隱蔽し又は之を偽ること

12、所属労務者の宿泊施設に定員を超えて宿泊せしむること

13、故なく所属労務者の宿泊施設に所属労務者に非ざる者を宿泊せしむること

第9條 供給業者、従業者を使用するときは、使用開始の日より5日以内に其の本籍、住所、氏名、年齡及履歴を、事業所所在地を管轄する国民職業指導所長に届出づべし

6條第1項、前條第5号乃至第9号及其の罰則の規定は従業者に之を準用す

第10條 左の各号の1に該当するときは、供給事業は7日以内に、業者所所在地を管轄する国民職業指導所長に届出づべし(い、ろ)

1、供給業者の本籍、住所、氏名法人なるときは其の名名、主たる事務所の所在地、理事其の他の法人の業務を執行する役員の住所又は氏名)又は事業所の名名を変更したるとき

2、供給業者廃業したるとき

3、従業者の使用を罷めたるとき

4、従業者の住所又は氏名に変更ありたるとき

5、従業者死亡したるとき

供給業者死亡したるときは其の相続人又は戸主より、供給業者たる法人解散したるときは清算人より前項に準じ届出づべし

第11條 供給業者は事務所に左の帳簿を備へ日日供給に関する事項を記載すべし(い、は)

1、所属労務者名簿(様式第1号の2

2、労務者供給簿(様式第2号)

3、賃金受払簿(様式第3号)

前項の帳簿は最後の記載を為したる日より3年間之を保存すぺし

第12條 供給業者は、毎月5日迄に前月の事業状況を各事業所每に様式第4号に依り事業所地所在を管轄する国民職業指導所長に届出づぺし(い、ろ)

第13條 当該官吏は、供給業者に対し、書類、帳簿の提出を命ずることを得

第14條 地方長官、必時ありと認むるときは、第3條第4号乃至第12号の事項の変更を命ずることを得(い、ろ)

地方長官必要ありと認むるときは、所属労務者の所属解除を命ずることを得  

第15條 地方長官は、左の各号の1に該当するときは、其の事業を停止し又は許可を取消すことを得

1、供給業者、本令若は本令に基く命令又は之に基きて為したる処分(第7條の4の規定に依る指示を含む)に違反したるとき

2、供給業者、正当の事由なくして6月以上其の業労を行はざるとき

3、前各号の外供給業者事業を行ふに適せずと認むるとき

第16條 国民職業指導所長は、従業者労務供給事業に徒事せしむるに適せずと認むるときは其の使用を禁止することを得(い、る)

第17條 左の各号の1に該当する者は拘留又は科料に処す

1、第4條、第6條乃至第7條の3、第8條、第9條第1項、第10條乃至第12條の規定に違反したる者

2、第7條の4の規定に依る指示に従はざる者

3、第11條第1項の帳簿に虚偽の記載を為したる者

4、第13條、第14條又は第16條の規定に基く命令に違反したる者

5、第15條の規定に依り事業を停止せられたる者にして其の停止期間中事業を行ひたる者

第18條 本令の罰則は、其の者が法人なるときは理事、其の他の法人の業務を執行する役員に、未成年者又は禁治産者なるときは、其の法定代理人に、之を適用す、但し、其の事業に関し成年者と同一の能力を有する未成年者の法定代理人に付ては此の限に在らず

供給業者は、従業者、同居の戸主、家族又は雇人にして其の事業に関し、前條の違反行為を為したるときは、自己の指揮に出でざるの故を以て処罰を免るることを得ず

第19條 地方長官は、厚生大臣の認可を受け、第2條の規定に拘はらず業労の種類に限り別段の定を為すことを得

第20條 本令に定むるものの外、必要なる事項は地方長官之を定む

第21條 本令中地方長官とあるは、附則第2項を除くの外東京府に在りては東京府知事及警視総監とす

附則

本令は昭和1371日より之を施行す、但し、第5條第2項の規定は昭和1441日より之を施行す

12條の規定に依り職業紹介所長に為すべき届出は、昭和14331日迄に事業所所在地を管轄する地方長官に之を為すべし

法第22條の労務供給事業を行ふ者又は其の戸主若は家族、本令施行の際、現に第6條の規定に依り禁止せられたる事項を行ふときは、特に地方長官の許可を受けて、本令施行の日より1年を限り其の事項を行ふことを得

附則(昭和15年厚生省令第49号)

本令は、昭和151120日より之を施行す

本令は、施行の際現に行ふ労務供給事業にして、従前の規定に依り法第8條第1項の許可を受くることを要せざりしものに付ては、其の事業を行ふ者が、本令施行の日より30日以内に、第3條の規定に依り許可を申請したる場合に限り、其の申請に対する許可又は不許可の処分ある迄第2條の規定に拘らず、法第8條第1項の規定に依り許可を受くべき事業に非ざるものとす

附則(昭和16年厚生省令第71号)

本令は昭和17110日より之を施行す

本令施行の際、現に行ふ労務供給事業にして、従前の規定に依り法第8條第1項許可のを受くることを要せざりしものに付ては、其の事業を行ふものが本令施行の日より30日以内に第3條の規定に依り許可を申請したる場合に限り、其の申請に対する許可又は不許可の処分ある迄、第2條の規定に拘らず、法第8條第1項の規定に依り許可を受くべき事業に非ざるものとす

本令施行の際、現に30日未満の期間を定めて労務者を所属せしめ居るものに付ては、当該期間の満了迄第7條の3の規定は之を適用せず、第7條の32項第4号の申請期日は、供給業者にして昭和17110日より3月迄の間に於て、日日又は30日未満の期間を定め労務者を所属労務者たらしめんとする場合に限り、同條同項同号の規定に拘らず、昭和17210日とす

前項の場合に於て、供給業者にして前項の申請期日迄に認可を申請したる場合に於ては、其の申請に対する認可又は不認可の処分ある迄は、第7條の3の規定は之を適用せず

附則(昭和19年厚生省令第34号)

本令は昭和191010日より之を施行す

7條の33項の規定に依る承認又は指示は、当分の間地方長官の定むる場合に於ては、之を受くることを要せず

附則(昭和20年厚生省令第42号)

本令は昭和20年十月22日より之を施行す

(様式省略)

労務者募集規則(昭和151015日・厚生省令第50号)

   改正 昭和1621日厚生省令第6号(い)、/同年1229日厚生省令第72号(ろ)

第1條 本令は、職業紹介法(以下法と称す)第8條の規定に依る労務者の募集に之を適用す

第2條 国民職業指導所長の指定する者の行ふ、国民職業指導所長の指定する様式に依る文書の掲出又は頒布のみに依る労務者の募集を除くの外、労務者の募集は、法第8條第1項の規定に依り許可を受くべきものとす(ろ)

第3條 本令に於て、募集主とは、労務者を雇用する為労務者の募集を行ふ者を謂ひ、募集従事者とは、募集主の委託を受け、又は、自ら雇用せんが為、労務者又は労務者たるべき者に対し応募を勧誘し、又は、応募者を其の就業場以外の場所に於て詮衡し、若は、引率旅行する者を謂ひ、募集地とは、募集に関する文書を頒布、若は、掲出し、又は、募集従事者が応募の勧誘若は応募者の詮衡を為す地を謂ふ

第4條 労務者の募集許可は、募集地を管轄する地方長官之を行ふ、但し、新聞、雑誌其の他の定期出版物に掲載する広告のみに依る募集に付ては、之を掲載する出版物の発行地を管轄する地方長官之を行ふ

第5條 労務者の募集の許可を受けんとする者は、左に掲ぐる事項を具し様式第1号に依り申請すべし

1、募集主に関する事項

2、応募者の就業場及応募者の就業すべき事業に関する事項

3、募集人員、募集期間及募集区域に関する事項

4、募集方法に関する事項

5、其の他募集に関する事項

労務者の募集の許可を受けたる者、前項第2号乃至第5号の事項を変更せんとするときは、前項第1号の事項、変更せんとする事項及変更を必要とする事由を具し許可を受くべし

2項の申請は、之に其の副本(募集地(前條但書の募集なる場合は出版物の発行地)が応募者就業場所在地と同一道府県に在る場合は1通、其の他の場合は2通)を添附し応募者の就業場所在地を管轄する国民職業指導所長を経由すべし(い)

第6條 2以上の道府県の区域に跨り労務者の募集を行はんとする者は、様式第2号に依る労務者募集計画書を、応募者の就業場所在地を管轄する地方長官に提出すべし、但し、第4條但書の募集の場合は此の限りに在らず

前項の労務者募集計画書は、之に其の副本2通を添附し、労務者募集許可申請書と共に就業場所在地を管轄する国民職業指導所長を経由すべし(い)

第7條 募集主は、労務者の募集に関し、掲出又は頒布する文書に付、応募者の就業場所在地を管する国民職業指導所長の検閲を受くべし、但し、新聞、雑誌其の他の定期出版物に掲載する広告に付ては此の限に在らず(と)

国民職業指導所長支障なしと認むるときは、募集主の請求に依り前項の文書に検印を為すべし(い)

第8條 募集主、労務者の募集に関し、文書を掲出又は頒布せんとするときは、募集従事者に対して掲出又は頒布せしむる場合を除くの外、其の文書を添附し、様式第3号に依り募集地を管轄する国民職業指導所長に届出づべし、但し、新聞、雑誌其の他の定期出版物に広告を掲載するときは此の限に在らず(い)

前項の届出に添附すべき文書は就業場所在地を管轄する国民職業指導所長の検印を受けたるものなることを要す(い)

第9條 地方長官必要ありと認むるときは、募集主に対し、地域を指定して労務者の募集に関する文書の掲出又は頒布を制限することを得

第10條 左の各号の1に該当するときは、募集主は、其の掲出したる労務者の募集に関する文書を撤去すべし

1、掲出したる文書に配載したる事項変更ありたるとき

2、募集を終了したるとき

3、募集期間満了したるとき

4、募集を罷めたるとき

5、募集の許可を取消されたるとき

6、事業を廃止したるとき

第11條 募集主、募集従事者たることを委託したるときは、様式第4号に依り左に掲ぐる事項を記載したる労務者募集従事委託書を、其の者に交付すべし

1、募集主に関する事項

2、応募者の就業場に関する事項

3、募集従事者に関する事項

4、募集従事者に対する委託の内容及報償に関する事項

第12條 募集主、募集従事者をして応募の勧誘を為さしむるときは、左に掲ぐる事項を記載したる就業案内を募集従事者に交付すべし

1、募集主に関する事項

2、応募者の就業場及応募者の就業すぺき事業に関する事項

3、短期の事業に在りては其の專業の開始及終了期日

4、就業時間、休憩時間、休日及夜間作業に関する事項

5、賃金に関する事項

6、宿舍、食事の費用、往復の旅費等の負担に関する事項

7、制裁の定あるときは之に関する事項

8、雇轄期間及解雇に関する事項

9、負傷、疾病又は死亡の場合に於ける扶助に関する事項

第13條 募集従事者、労務者の募集に著手せんとするときは、左に掲ぐる事項を、様式第5号に依り各募集地を管轄する国民職業指導所長に届出づべし、但し、他の募集従事者の勧誘したる応募者の引率旅行のみを為す募集従事者は此の限に在らず(い)

1、募集主に関する事項

2、応募者の就業場及応募者の就業すべき事業に関する事項

3、募集従事者に関する事項

4、募集従事中の居所及事務所に関する事項

5、当該国民職業指導所管内に於ける募集従事期間及募集予定人員(い)

6、応募者の集合に関する事項

7、其の他募集に関する事項

前項の届出には、労務者の募集に関し掲出又は頒布すべき文書各2通(1通は就業場所在地を管轄する国民職業指導所長の検印を受けたるものなることを要す)及労務者募集従事委託書を添附すべし(に)

1項の規定に依り届出でたる事項に変更ありたるときは、3日以内に第1項の届出をなしたる国民職業指導所長に其の旨届出づべし(い)

第14條 国民職業指導所長、前條の届出ありたる場合に於て、支障なしと認むるときは、様式第6号に依る労務者募集従事証を交付すべし(い)

労務者募集従事証を滅失、紛失又は毀損したるときは、募集従事者は其の再交付を申請することを得

労務者募集従事証の記載事項に変更を生じたるときは、募集従事者は遅滯なく其の書換を申請すべし

2項の申請は労務者募集従事委託書を添附し様式第7号に依り之を為すべし

第15條 募集従事者、応募者を引率して旅行せんとするときは、労務者募集従事委託書を添附し様式第8号に依り出発地を管轄する国民職業指導所長に届出づべし(い)

国民職業指導所長、前項の届出ありたる場合に於て、支障なしと認むるときは、様式第9号に依る応募者引率旅行証を交付すぺし(い)

第16條 募集従事者は、労務者の募集に従事中は、労務者募集従事委託書、及、労務者募集従事証、又は、応募者引率旅行証を携帯すべし

募集従事者は、応募者若は応募せんとする者又は之を保護する者の請求ありたるときは、其の労務者募集従事委託書、及、労務者募集従事証、又は、応募者引率旅行証を提示すべし

第17條 募集従事者は、応募せんとする者に対し、第12條の就業案内を交付し、其の主旨を懇示すべし

第18條 募集従事者は、労務者の募集に従事中、様式第10号に依る応募者名簿を携帯し、又は第13條の規定に依り届出でたる居所若は事務所に備付くべし、但し、他の募集従事者の勧誘したる応募者の詮衡又は引率旅行のみを為す募集従事者は此の限に在らず

第19條 募集従事者は、自己の勧誘したる応募者を、他の募集従事者が詮衡し又は引率旅行するときは、其の詮衡又は引率せらるる応募者に付、応募者名簿の寫を作成し、其の詮衡又は引率旅行を為す募集従事者に交付すべし

募集従事者、他の募集従事者の勧誘したる応募者を詮衡し又は引率旅行するときは、前項の応募者名簿の寫を携帯すべし

第20條 募集従事者は、毎月の労務者の募集の状況を、翌月5日迄に、様式第11号に依り募集地を管轄する国民職業指導所長に届出づべし、但し、他の募集従事者の勧誘したる応募者の詮衡又は引率旅行のみを為す募集従事者は此の限に在らず(い)

第21條 募集従事者、各国民職業指導所管内に於ける労務者の募集を終了したるときは、募集終了の日より5日以内に、労務者募集従事証を添附し様式第12号に依り当該国民職業指導所長に届出づべし(い)

第22條 募集従事者は、未成年者、禁治産者、準禁産者者又は妻に付ては其の法定代理人、後見人、保佐人又は夫の承諾あるに非ざれば之を募集することを得ず、但し、已むを得ざる事由に依り承諾を得ること能はざる場合に於て本、人を保護する者の承諾あるときは此の限に在らず

第23條 募集従事者は左に掲ぐる行為を為すことを得ず

1、労務者募集従事委託書、労務者募集従事証又は応募者引率旅行証を他人に讓渡し又は貸与すること

2、募集に関し事実を隱蔽し、誇大虚偽の言辭を弄し其の他不正の手段を用ふること

3、第13條の届出に添附したる文書に非ざる文書を掲出又は頒布すること

4、応募を強要すること

5、応募を他人に委託すること

6、応募者を労務者募集従事証記載の募集主以外の者に周旋すること

7、金品を給与し又は貸付けて応募を勧誘すること

8、被雇中の者に対し応募を勧誘すること

9、応募者又は応募者を保護する者より手数料、報酬等何等の名義を以てするを問はず金錢其の他の財物を受くること

10、労務者募集従事委託書記載の報償の外何等の名義を以てするを問はず募集に関し募集主より金錢其の他の財物を受くること

11、応募者若は応募せんとする者又は之を保護する者に対し其の財物の保管を求め又は保管したる財物の返還を故なく拒むこと

12、応募者の外出、通信若は面接を妨げ其の他応募者の自由を拘束し又は苛酷なる取扱を為すこと

13、当該官吏又は応募者を保護する者に対し応募者の所在を隱蔽し又は之を偽ること

14、応募者又は応募せんとする者に対し風俗を紊る虞ある行為を為すこと

15、応募者又は応募せんとする者に対し遊興を勧誘し又は案内を為すこと

16、募集に関し知得したる人の秘密を漏洩すること

第24條 国民職業指導所長、必要ありと認むるときは、募集従事者に対し、地域又は期間を指定して、労務者の募集に従事することを制限することを得(い)

国民職業指導所長、必要ありと認むるときは、募集従事者に対し、其の指定する者の募集を制限することを得(い)

第25條 当該官吏は、募集従事者に対し、労務者募集従事委託書、労務者募集従事証、応募者引率旅行証、応募者名簿其の他募集に関する書類、帳簿の提示を命ずることを得

第26條 国民職業指導所長は、募集従事者労務者に関し、違法又は不当なる行為を為し又は為すの虞ありと認むるときは、労務者の募集に従事することを禁止することを得(い)

第27條 左の各号の1に該当するときは、募集従事者は遅滯なく労務者募集従事証を返納すべし

1、募集主募集従事者の委託を解きたるとき

2、募集主応募者をして就業せしむべき事業を廃止したるとき

3、募集主募集を罷めたるとき

4、募集主募集の許可を取消されたるとき

5、募集従事者募集従事者たることを罷めたるとき

6、募集従事者募集に従事することを禁止せられたるとき

第28條 応募者引率旅行証の交付を受けたる募集従事者、応募者の引率旅行を為さざるに至りたるときは、遅滯なく応募者引率旅行証を返納すべし

応募者引率旅行証の交付を受けたる募集従事者応募者の、引率旅行を終了したるときは、遅滯なく応募者引率旅行証を、就業場所在地を管轄する国民職業指導所長に提出すべし(い)

第29條 募集従事者死亡したるときは、戸籍法第107條の届出義務者は遅滯なく労務者募集従事証又は応募者引率旅行証を返納すべし

第30條 募集主は、労務者募集従事委託書に記載したるものの外、何等の名義を以てするを問はず、労務者の募集に関し、募集従事者に対し金錢其の他の財物を給与することを得ず

第31條 左の各号の1に該当する場合に於て、応募者又は応募者を保護する者の請求ありたるときは、応募者就業場に到著前に於ては、募集従事者、到著後に於ては、募集主は応募者の帰郷の為必要なる措置を為すべし

1、就業案内に記載したる事実と相違したるとき

2、募集主、募集従事者又は就業場の監督者応募者を虐待し又は凌辱したるとき

3、考試、身体検査其の他の募集主の都合に依り応募者を採用せざるとき

4、其の他已むを得ざる事由に因り帰郷を必要とするに至りたるとき

第32條 左の各号1のに該当するときは、募集主は5日以内に其の旨第4條の地方長官に届出づべし

1、第5條第1項第1号の事項に変更ありたるとき

2、応募者の就業場の名名に変更ありたるとき

3、応募者をして就業せしむべき事業を廃止したるとき

4、募集を罷めたるとき

5、募集従事者の委託を解きたるとき

第33條 募集主は、毎月5日迄に前月の募集状況を様式第13号に依り応募者の就業場所在地を管轄する地方長官に届出づぺし

第34條 第5條第3項の規定は前2條の規定に依る届出に之を準用す

第35條 当該官吏は、募集主又は応募者の就業場の管理者に対し、募集に関する書類、帳簿の提示ら命ずることを得

第36條 地方長官は、募集を不適当と認むるときは、其の募集の許可を取消すことを得

第37條 左の各号の1に該当する者は拘留又は科料に処す

1、第5條の規定に依り許可を受けたる募集方法に依らずして労務者の募集を為し又は労務者の募集に従事したる者

2、第5條第2項、第7條第1項、第8條第1項、第10條、第12、條第13、條第14條第3項、第15條第1項、第16條乃至第23條、第27條乃至第33條の規定に違反したる者

3、応募者名簿の記載を怠り又は之に虚偽の記載を為したる者

4、第9條、第24條乃至第26條又は第35條の規定に依り命令に違反したる者

5、労務者募集従事証又は応募者引率旅行証の交付を受けずして募集に従事したる者

6、募集従事者より委託を受けて応募者を誘導したる者

第38條 法人又は人の代理人、使用人其の他の従業者が、其の法人又は人の業務に関し、前條の違反行為を為したるときは、其の法人又は人は、自己の指揮に出でざるの故を以て其の処罰を免るることを得ず

第39條 本令の罰則は、其の者が法人なるときは理事其の他の法人の業務を執行する役員に、未成年者又は産治産者なるときは其の法定代理人に、之を適用す、但し、其の事業に関し成年者と同一の能力を有する未成年者に付ては此の限に在らず

第40條 本令中地方長官とあるは、第2條、第6條第1項、第9條乃至第33條を除くの外、東京府に在りては東京府知事及警視総監とす

第41條 本令は、移民保護法に依る募集及船員法の船員の募集には之を適用せず

附則

本令は昭和151120日より之を施行す

昭和136月厚生省令第19号労務者募集規則は之を廃止す

本令施行前法第8條第1項の規定に依り許可を受けたる労務者の募集に関する本令の適用は左の各号に依る

1、当該労務者の募集の許可の申請書に添附したる、募集に関し配布すべき文書に付ては、第7條及第8條の規定は之を適用せず

2、従前の規定に依り、募集従事者証の交付を受けたる募集従事者に付ては、第11條及第14條第1項の規定は、之を適用せず、此の場合に於ては、当該募集従事者証を以て労務者募集事従委託書、及、労務者募集従事証と看做す

(様式省略)