【 平成9年度決算特別委員会(準公営・一般)平成10101112-1118日−05号 】

◆姫野浄委員 

 それでは、最後になってしまいますがね、ホームレスの問題について簡単に伺います。

 もうたくさんの検討事項があると思いますが、簡単にお答えいただきたいのです。

 1つは伝染病が非常に蔓延をしていると、8月には赤痢であいりん地域で50名発生しましたが、聞くところでは15名ほどがおらなくなったと、10月以降は78と聞いております。こういう中でやはり、もっと徹底した対策が要るのではないかと、疑似患者と見られる場合は全員を収容して完治まで対策をとるということが必要ではないかと。

 それから、こういう口から入る伝染病のもとになっているのがやはり食事の提供の場ですね、だから近隣のそういう提供の場に対して、保健所が出向いて食事のチェックをしていく、こういうことがどうしても必要ではないか。

 それから、民生局においては野宿者に対する住宅問題、これが非常に重要になってきております。私の提案ですが、緊急対策として宿泊券を発行して、そして簡易宿泊所に対して空き家がたくさんあるのですね、ざっと2万件ぐらいあいりん地区にはあります。これが実は、ほとんど今の状況のもとで空き家になっております。だから、簡易宿泊所に対する有効活用というのが今必要になっておると思います。

 それから、生活保護を適用すべき人ですね、高齢などで就労が不可能であるという方については、生活保護法を積極的に適用していくと、こういうことが重要ではないかと思われます。

 それから、3点目としましては、就労対策ですね、先日からもいろいろありましたが、やはり大阪府と協力をして現行の特別清掃事業を大幅に拡大するとか、あるいは日雇い労働者の一定雇用、企業に対する公共事業の受注条件にしていくだとか、あるいは雇用保険の日雇い労働保険の改善を図ってですね、実質的な失対事業の一時的な復活と、こういうものが今求められているのではないかと思いますが、それぞれ環保局や民生局はどのようにお考えか、お聞きをしておきたいと思います。

◎柳川環境保健局感染症対策室予防課長 まず、伝染病の関係につきまして私どもの方からお答えさせていただきます。

 今回の赤痢の集団発生に際しましては、できるだけ早期に患者を発見し、治療を行うことが必要であるという判断に立ちまして、初期の段階から下痢症状のある方につきましては、医師の臨床診断に基づきまして、積極的に疑似の赤痢患者として収容してまいったところでございます。

 具体的に申し上げますと、1117日現在の真性患者数は78でございますけれども、このうち54名の方は疑似の赤痢患者として先に収容をいたしておりまして、病院に入ってから菌検査によりまして、菌が出まして真性患者になったという方でございます。

 そのほか、菌検査の結果、陰性が確認されて退院されました方、また現在検査中の方を含めまして20名の方を疑似赤痢として収容いたしておりまして、そういうわけで今回疑似の赤痢患者として収容した方は74ということになっております。

 それから、食事の提供施設についてお尋ねでございますけれども、これにつきましても周囲の飲食店につきまして指導を行っております。また、多数の方が飲食されます炊き出し、炊き出しにつきましては、私どもの感染症対策室、それから西成保健所の職員も参りまして、炊き出しの従事者に対しまして手洗いの励行でございますとか、器具、これは、はしなんかの煮沸消毒、そのほか食器の洗浄方法など、非常に細かい点にわたりまして衛生という観点から指導を行っているところでございます。

◎中川民生局総務部保護課長 お答え申し上げます。

 簡易宿所、いわゆるドヤの生活保護の適用でございます。確かに委員御指摘のとおり、今回の不況によりまして、相当数のドヤ宿泊所があいているのは事実でございますか、従来から私ども簡易宿所というものは1日ごとに宿泊料を支払いまして、短期に限って宿泊をさせる、いわゆる旅館業法に定めるものでございます。

 また、部屋には炊事施設がなく、トイレは共用、ほぼ風呂もない、あるいはまた共用でお風呂があるといった部屋自体も2畳から 4.5畳というようなことが標準となっております。

 このようにここを住居として生活保護を適用することは、例えば日々の生活の場でやはり固定した住所地ではないこと、また住環境といたしましても、決して良好とは言えないところから、大阪市においては従来からドヤでの保護を実施していないところでございます。

 しかしながら、現在のあいりん地域の中の不況の現状は見過ごすことができません。そういった観点から、厚生相談所におきまして、高齢者、病弱者、援護を要する方々が日々お見えになります。その方々につきましては、私ども生活保護施設を提供する、あるいは病院に入院をしていただいて、体力を回復していただく。

 また、実質的にケアセンターと申し上げまして、2週間程度を限度といたしまして、リフレッシュといいますか、そういった体力を回復していただいてまた仕事につくというようなことできめ細かな事業を実施いたしておるところでございます。

 また、3点目のお尋ねでございました特別清掃事業のことでございます。

 特別清掃事業につきましては、平成6年度から第24次のあいりん騒動を機にいたしまして、大阪府と大阪市が協調いたしまして、高齢日雇い労働者に雇用機会を提供する事業を実施しているものでございます。大阪市におきましては、特別清掃といたしまして、あいりん地域内の生活道路清掃、それから大阪府におきましては西成労働福祉センターの清掃事業ということで実施いたしておりまして、いずれも、55歳以上の高齢日雇い労働者を対象としてやっておりますが、地元の住民の皆様方からも好評を得ているところでございます。

 ところで、大阪、当初平成6年に実施いたしましたときには、大阪府は 2,880人、大阪市は 2,110人で出発いたしました。大阪市におきましては、順次拡大いたしまして平成10年秋からも地域拡大を行いまして、現在は大阪府は 2,800人程度でございますが、大阪市は 9,700人、これは年間の延べでございます。ということで、現在の野宿者の状況、あるいはあいりんの状況を見過ごすことはできないということで、順次大阪府より多額の雇用を創出しているところであります。

 今後、非常に厳しい財政事情ではございますが、勤労意欲のある日雇い労働者に対しまして、自立支援の観点からも地域外へも事業拡大ができないか、真剣に検討をしているところでございます。以上でございます。

◆姫野浄委員 関係者の皆さんは非常に努力をしていただいておりますが、私は先日来からの議論若干気になりましたことは、大阪市にはこういうホームレスに対する何の権限もないというような意味の議論がありましたが、私は地方自治法では明確に住民及び滞在者の安全、健康及び福祉を保持するというのが地方自治法第2条に定められておりますし、第2項では公園とか広場とか道路とかこういうのを管理し、そして規制することも権限の中に入っております

 だから私は、1つ全庁的な体制をとっていただいて、今の重大なホームレス約1万人と推定をされておりますこういう人たちへの最も具体的な対応を期待をしたいと思います。

 また、我々も一層検討いたしまして、具体的な提案等も行っていきたいと思います。

 以上で私の質問を終わります。