【 平成12年3月定例会常任委員会(建設港湾・通常予算)-0314日−02号 】

◆大西宏幸委員 舞鶴さん、よろしくお願いします。

 続きまして、公園のホームレス対策につきまして、質問をさせていただきます。

 私もどちからというと、大阪城の方に住んでおりますので車でよく通ります。公園側を大きく育った木々の緑が延々と続いており、また、環状線の方は大きく開けて青い空が広がっている中で快適な空間なんですけれども、残念なことに公園の緑の下に青いテントが見え隠れするというよりも、何かボーイスカウトのキャンプ場みたいな状況になってきてます。ちょっと残念ですね。中には洗濯物を干しているとか、トイレを占用したり、周りに乱雑に荷物を運んでいるようなテントもあったり、せっかくの公園の景観を大分と損ねております。ホームレスの増加により、現在では市内のほとんどの区でホームレスが認識されておるのですけれども、私の生野区の公園でもホームレスを見かけることがだんだん多くなってきてます

 ただ、テントや小屋がけで公園に住み着いている人は以外と少なくて、公園でぶらぶらしているようにも見えますけれども、聞いてみると大阪城公園から通ってきているということであります。

 生野区内は古くから住宅が密集しており、公園もまた比較的規模が小さく、民家に隣接している公園が多くあります。ホームレスに住み着かれますと、付近に住んでいる皆さんにはたまったものではございません。

 私の近くにも住み着いて、例えば、犬を飼って犬がほえかけてまた地元の住民と問題が起こっているところもあるということです。公園の付近では、空き缶や段ボールなど集め回ってそして帰っていく、このようなことで付近の人にとってはそれはそれとして、一安心といったところでしょう。

 ホームレスの生活実態については、大阪市の調査結果が先に公表されておりますが、仕事がなく収入もない、野宿生活を余儀なくされている状況や、生活の糧を得るために80%ほどの人々が廃品回収などをしてお金にかえているという厳しい現状が浮き彫りにされております。

 この調査結果の中に、現在の野宿場所を選んだ理由ということがありますが、第1には環境がよいから、41.5%、第2位は生活に便利だからの32.3%となっております。環境がよいというのは、静か、安全、雨がしのげるなどで、生活利便というものは、水の確保やトイレの問題ということであります。

 市内でホームレスが野宿をしている場所は、道路や公園、河川敷などですが、テント・小屋がけは中でも公園が最も多いということです。都市に生活する私たちにとって大切な緑の空間である公園が、今やホームレスにとって欠かせない場所となっているのです。

 まことに複雑な心境ですけれども、現在の公園でのホームレスのテント・小屋がけの現状はどのようになっているのか。特に、大阪城公園、長居公園ではどうなっているか、大変ふえているということになっているのですけど、どうでしょうか。

◎松下建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えを申し上げます。

 公園における野宿生活者のテント・小屋がけの状況でございますが、本年2月末の調査によりまして、市内にございます 896の公園のうちの84カ所の公園に 2,424件を確認しておるところでございます。

 1年前の平成11年2月末の調査では、公園数は73カ所、件数は 2,031件でございました。1年前に比較いたしまして公園数で11カ所、件数では 393件が増加しているという状況でございます。

 また、委員御指摘のとおり、大阪城公園と東住吉区の長居公園には、他の公園に比べまして非常に多くのテント・小屋がけがございます。今回の調査におきましては、大阪城公園では 538件、長居公園では 422件を数えておるところでございます。

 この2つの公園におけます1年間のテント小屋がけの増加は、合わせて 343件でございまして、市内の公園でこの1年間に増加した件数 393件のおおむね90%を占めておるという状況でございます。

 ホームレスの増加によりまして、公園でのテント・小屋がけは地域的な広がりを見せておりますが、特にそういう大規模な公園での集中的な増加が著しい、そういう状況でございます。

◆大西宏幸委員 社会問題となってきてますけれども、ますます深刻化するホームレス問題について、大阪市は共通する悩みを抱える大都市の先頭に立ち、対策の指針を求めて国への働きかけをしてきました。

 我が自民党議員団もこれに積極的に参画させていただいているところですけれども、昨年7月には市長を本部長とする大阪市野宿生活者対策推進本部を設置して、当面の対策としてあいりん高齢日雇労働者の雇用機会拡大に向けての事業やホームレスの自立支援をするための自立支援センターの整備などを幾つかの事業に取り組んでいます。

 公園や道路などの公共施設におけるホームレスのテント・小屋がけは、排除だけでは解決できないという問題です。やはり自立によるホームレス状態からの脱却が、このような公共施設に住み着いているホームレスの減少や解消に向けての欠かすことのできない大きな課題となっております

 ホームレスの自立には、生活するための収入源となる雇用の確保が最も重要でありまして、大阪市では昨年11月から国の緊急地域雇用特別交付金を活用して、清掃事業などを行うホームレスの労働支援に取り組んでおります。

 本市のこのような取り組みだけでは解決することは非常に困難です。公園のテント・小屋がけは、日々の生活に直結した大変な問題でありまして、安全面や衛生面で不安も募っています。公園の利用をめぐってトラブルも心配されておりまして、自立支援施策の実施と並行して施設の管理者の取り組みもまた極めて重要であると考えます。

 公園管理者として、このような状況の中で今後どのように公園のホームレス対策を進めていくか聞かせてください。

◎松下建設局花と緑の推進本部緑化推進部企画主幹 お答えいたします。

 厳しい社会経済状況のもとで、多くの人々がやむにやまれぬ状態として公園などにおいて野宿生活を送っているという実態がございます。

 一方、公園へのホームレスの住み着きは、都市の緑の憩いの場である公園利用の支障となるばかりでなく、環境、安全、衛生などの面で問題を抱えておりまして、公園利用者ですとか周辺住民の皆さんは強い不安感を持っておられまして、公園の機能回復と適正な管理を求める非常に強い要望を多くいただいているところでございます。

 公園管理者といたしまして、このような御要望におこたえし、市民の皆さんが快適に公園を利用できるよう、また日々安心して過ごしていただけるように、不安感の解消に向けて取り組んでまいらなければならない、このように存じております。

 本年度からは、従来からの取り組みに加えまして、特に多くのテント・小屋がけを抱えている公園の事務所に専任の巡視員を配置いたしまして、テント・小屋がけが公園利用に著しく支障となるもの、また近隣にお住まいの皆様に御迷惑をおかけする行為などにつきまして、厳正に対処するため、重点的、継続的な巡回指導を行っているところでございます。

 今後もこの体制の充実を図りまして、テント・小屋がけの整理、減少、ホームレスと公園利用者や周辺住民との摩擦の軽減に向けまして、積極的に取り組んでまいりたいと、このように存じております。

 本市におきましては、ホームレス問題の解決に向けましての自立支援策として雇用、福祉、医療、保健などの総合的な施策推進の検討が進められておるところでございますので、公園からのホームレスの退去に向けまして、今後もこれらの施策の進捗と緊密に連携を図ってまいりますとともに、野宿生活者対策推進本部の地域環境整備部会におきまして、公園の適正な管理、それから安心、安全な地域環境の整備に向けまして私ども協議、検討を進めまして、積極的に取り組んでまいりたいと、このように存じております。

◆大西宏幸委員 住民にしても、ホームレスの方にしてもお互いが疑心暗鬼になってトラブルが起こっているという現状がありまして、トラブルを起こさないような未然の防止に努めることが行政の責務です。

 大公園には大公園に適したホームレス対策があり、住民生活に密着した小さな公園には小さな公園の現状に応じた対策が必要です。

 市内に多くのテント・小屋がけのある現状で、すべての対策を均一に実施することは現実には困難ですけれども、公園の規模や置かれている状況に応じたより効果的で重要点なホームレス対策を早急に検討して、市民が安心して暮らせる地域環境の整備に向けてより一層、努力していただくように要望しておきます。

 続きまして、毛馬桜之宮公園の整備計画につきまして、こちらの方も今申し上げましたとおり多いですね、ホームレスの方が多い。これもあわせてやっていただきたいということでございます。どないなっとんねんと石井先生、質問してはりますから、よろしくお願いします。

 12年度の予算説明によって、毛馬桜之宮公園で現在進めている淀川リバーサイド地区公園整備や藤田邸跡の庭園整備に加えて、新たに仮称ですけれども、蕪村公園の整備や公園橋の計画・設計を進めているということですが、まず毛馬桜之宮公園の整備の現状や将来構想についてお聞かせください。

◎掃部建設局花と緑の推進本部施設整備部公園建設課長 お答え申し上げます。

 毛馬桜之宮公園は、市内を南北に流れる大川の両岸に沿って広がる水都大阪を代表する公園であり、現在、約28ヘクタールを開園しており、桜の名所として、また憩いや散策、スポーツなどの場として広く市民に親しまれております。

 11年度は、大川右岸の北区の淀川リバーサイド地区の整備や、都島区の網島町の市長公館と太閤園の間にあります藤田男爵邸の跡とそこの整備、あるいはまた都島区の源八橋から桜之宮橋の区間では、快適で安全な散策が楽しめる桜のプロムナードも整備いたしております。

 それと、今後につきましては、新しい時代にふさわしい都市環境の創造と、魅力あるまちづくりを進める一環として、毛馬桜之宮公園を国際集客都市大阪にふさわしいリバーサイドパークとするため、この公園の持つすぐれた潜在的特性を生かした公園の充実と活性化を図っていきたいと考えております。

 これまでの整備に加えまして、平成12年度以降、仮称でありますが、蕪村公園と公園橋の整備に向けて計画設計を進めていく予定でございます。よろしくお願いいたします。