【 平成14年度決算特別委員会(一般)平成1512月・16年1月-0120日−04号 】

長尾秀樹委員

5万人の雇用創出に向けましては、改めて市長の決意をお伺いしたいと思いますが、後ほどホームレスの問題と一緒に御答弁いただきたいと思います。

 それでは、続きましてホームレス対策についてお伺いをいたします。

 我が会派といたしまして、2001年3月にホームレス問題の完全解消に向けまして市長に対して提言を行うなど、これまで積極的に取り組みを行ってまいりました。

 この間、大阪市としても他都市に先駆けてさまざまな対策を講じてきた結果、一定の成果を上げておられると思いますが、現下の厳しい経済・雇用情勢のもと、現在もなお多くの方が市域内において野宿生活を余儀なくされております。

 14年度決算でも、巡回相談事業や自立支援センター、仮設一時避難所などの事業を実施して9億 6,600万円ほど支出をしておられます。昨日の御答弁では、15年度予算では15 9,500万円ということでございました。

 まず、これまでの対策の実績と評価についてお伺いをしたいと思います。

◎久保健康福祉局生活福祉部ホームレス自立支援事業担当課長 お答えいたします。

 野宿生活者対策につきまして、本市では平成11年7月に、市長を本部長とします全庁的な体制といたしまして、野宿生活者対策推進本部を設置し、各種施策を推進してまいりました。

 主な事業内容としまして、野宿生活者巡回相談事業では、平成11年8月から平成1512月までに、新規面接、再面接を合わせまして延べ2万17件の面接相談を行い、野宿生活者の自立に向けて支援をいたしました。

 自立支援センターにつきましては市内3カ所で計 280人定員で設置運営し、平成1210月から平成1512月までに 1,943人が入所、 1,710人が退所、このうち 707人が就労自立、 153人が施設等への入所・入院、 850人がさまざまな理由による退所となっております。

 公園の仮設一時避難所は、平成1212月以降、順次3カ所整備いたしまして、現在は2カ所での運営で、この間 530人の入所がありました。

 平成10年に 8,660人でありました野宿生活者が、昨年実施されましたホームレスの実態に関する全国調査では 6,603人と一定減少を見ましたものの、依然として多くの方が野宿を余儀なくされております。以上でございます。

◆長尾秀樹委員 ただいま御答弁ございましたように、これまで種々の対策を講じてきたということですが、 6,603人ですか、依然としてホームレス問題は深刻な状況にあるというふうに言えると思います。

 既存の政策メニューの組み合わせや国の事業のメニューの延長にとどまることなく、問題の抜本的な解決に向けました政策理念と目標を明確にすべきであるというふうに思います。

 ホームレス自立支援法に基づきます国の基本方針が昨年7月に策定をされ、市としても今年度中に実施計画を策定する予定というふうに聞いております。昨日の質疑にもございましたように、既に素案も公表され、パブリックコメントに付されております。

 改めて計画策定に当たっての基本的な考え方をお聞きしたいと思います。特に大阪市のホームレス問題の特徴などを加味して実施計画案を策定したのかどうか、あわせてお伺いいたします。

◎久保健康福祉局生活福祉部ホームレス自立支援事業担当課長 お答えいたします。

 昨年の全国調査の中で、全国で 2,163人、大阪市で 508人の方に面接による生活実態調査を実施いたしました。

 その結果、野宿生活直前の職業が建設関係であった人が大阪市で62.2%、全国で55.2%でありました。雇用形態が日雇いの人は大阪市で51.2%、全国で36.1%、また常勤職員が大阪市で30.2%、全国で39.8%でございました。また、大阪のあいりん地域などの日雇い労働市場で就労・求職活動の経験がある人は、大阪市で50.4%、全国で36.2%でございました。

 大阪市には全国最大の日雇い労働市場があり、歴史的にあいりん地域と、その周辺地域を中心に不安定な就労形態にある日雇い労働者が多数存在し、景気の変動などの影響を受けやすいという問題がございます。

 このように大阪市の野宿生活者問題の特徴は、不安定就労層の問題、あいりん地域の日雇い労働者等が野宿生活を余儀なくされた問題及び常用雇用から失業して野宿生活を余儀なくされた人の問題が複合していることでございます。

 したがいまして、実施計画案には大阪市の特徴を踏まえまして、就業機会の確保を最重要課題と位置づけますとともに、安定した居住の場所の確保、保健及び医療の確保、生活に関する相談指導、また自立支援事業など、総合的な自立支援策を推進するための方策を盛り込んでいるところでございます。以上でございます。

◆長尾秀樹委員 一層の雇用創出策に取り組んでいくということでございます。ぜひ頑張ってやっていただきたいと思います。

 昨日の答弁にもございましたように、ホームレスの就労自立のためには、自立支援センターの拡充ということとともに、就労支援の仕組みづくりが必要であるというふうに思います。我が会派としても、これまで提言をいたしておりますように、ホームレス問題を都市問題としてのみ位置づけるべきではないというふうに思います。産業・雇用政策全般の中に位置づけて、全国的な視野で労働力の移動と雇用の需給調整が必要ではないかというふうに考えております。

 大阪市が他府県からのホームレスの受け皿となっている現状を踏まえまして、他都市・他府県との連携を強め、自治体間のネットワーク形成が必要であると思います。例えば都市部での就業ニーズと農業や林業など地方での求人ニーズをマッチングさせて、都市部で余っている労働力を活用するような取り組みを進めるべきであるというふうに考えておりますが、どうでしょうか。

◎久保健康福祉局生活福祉部ホームレス自立支援事業担当課長 お答えいたします。

 雇用対策は、一地方公共団体で完結できる問題ではないため、これまでも府などとも連携しつつ、再就職が可能となる職業訓練の充実や広域的な就労先の開拓・職業あっせん等のあり方を検討してまいりました。

 今年度から自立支援センターなどに職業安定所から派遣される職業相談員を通しまして、近畿圏を中心とした全国の農林漁業に関する求人情報を必要に応じて提供を受けまして、活用を図っておるところでございます。

 あわせて国の事業でございますが、日雇労働者等技能講習事業が今年度から野宿生活者にも適用されるようになりましたのを受けまして、これを活用し、例えば農業ヘルパーや森林保全などの農林業分野の技能講習、さらにはフォークリフトやクレーンの操作などといった建設分野の技能講習などの実施によりまして、技能・技術や資格・免許の取得を通しまして、就業機会の拡大、雇用の確保につなげるべく努めておるところでございます。

 引き続き関係機関等との一層緊密な連携のもとに、野宿生活者個々の状況に応じたさまざまな職域、就業先の開拓に向けた仕組みづくりに取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。

◆長尾秀樹委員 いろいろそういうことで取り組んでいただいているということでございます。ぜひ頑張ってもらいたいと思います。そして個々の状況に応じて、きめ細かいケアの充実を図っていただきたいというふうに考えております。

 先ほど答弁にございましたように、大阪のホームレス問題の特徴は、失業等により余儀なくホームレスとなった人の問題とあいりん地域の日雇い労働者等を中心とした不安定就労層がホームレスを余儀なくされた問題が複合していることにあります。潜在的なホームレスとも言うべき人たちがホームレスにならないための予防策も一方で重要であります。

 したがいまして、ホームレス対策とあいりん対策の連携が必要であります。実施計画の策定に当たって、この点の御所見をお伺いしたいと思います。

 あわせまして、先ほど雇用政策のところで伺いましたが、現在あいりん地域で行われておりますいわゆる特別清掃事業等で活用しております国の緊急地域雇用創出特別基金は、平成16年度で終了するというふうに聞いております。そうなった場合、大変、影響について危惧をいたします。この点についてもどのように考えているかお伺いをしたいと思います。

◎松山健康福祉局福祉援護担当部長 お答えいたします。

 長尾委員御指摘のとおり、野宿生活者の自立支援と野宿生活にならないための予防は、ともにこの問題の解決にとりまして重要なことであると認識をいたしております。

 ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法、この制定の際の国会におけます質疑の中で、野宿生活となることを余儀なくされるおそれのある者が多数存在する地域の一つにあいりん地域が挙げられておるところでございます。

 あいりん地域におきましては、近年の不況の影響を強く受けまして、簡易宿所等の利用と野宿を繰り返す日雇い労働者が多くなってきておりますことから、実施計画案の中でも野宿生活者に対する施策とあわせて、野宿生活にならないための予防を兼ね合わせた生活上の支援の方策を国・府などと連携を図って進めることといたしております。

 また、委員御指摘の緊急地域雇用創出特別基金を活用した事業につきましては、その継続・拡充を含めた全国規模での実効性のある就労対策を、引き続き関係局と連携を図りながら府とともに国に強く求めてまいります。以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

◆長尾秀樹委員 ありがとうございました。

 ただいま御答弁ございましたように、予防を兼ねた生活支援上の対策ということで、ぜひホームレス対策とあわせましてあいりん対策の充実も図っていただきたいというふうに思います。

 それから、緊急地域雇用創出特別基金の関連で、いわゆるあいりん地域におきます特別清掃事業、これも額にいたしますと、15年度で2億 9,400万円、一番大きい事業だと思います。これ本当になくなると困ると思うんですけれども、一部市費がありますから全部はなくなりはしないかと思いますが、お聞きしたところでは、1日当たり現在 180人の雇用を行っておると。そのうち40人分が市費ということでございますが、ぜひ、先ほど財政局さんに要望いたしましたけれども、なくなっても何とかなるような方策をお願いしたいと思います。健康福祉局さんにも、あわせて要望をいたしておきたいと思います。

 關市長、大変お待たせいたしました。

 私の最後の質問といたしまして、先ほどの雇用と、ただいまお伺いをいたしましたホームレス対策について、あわせて最後に市長にお伺いをしたいと思います。

 私どもは雇用の大きな受け皿としての役割を大阪市が果たすため、市としての主体的な雇用政策の確立と推進を主張してまいりました。

 推進プランの中でも、雇用政策の総合的な推進、就職困難者等への就業の支援、あいりん地域日雇い労働者等への自立支援と、こういう3つの課題を掲げて計画を推進していくということになっております。改めて5万人の雇用創出の実現に向けました市長の具体的な決意をお伺いしたいと思います。

 あわせまして、ただいまお聞きをいたしましたホームレス問題につきましても、これまでの大阪市の取り組みにもかかわらず、状況は依然として深刻でございます。自立支援策の一層の強化が急務であるというふうに思います。今後、実施計画を早急に策定して実行に移すことによって、一日も早く問題の解決にめどをつけていただきたいと思います。

 そのためには、市長みずからが先頭に立って理念と目標を明確にしつつ、問題の抜本的な解決のため取り組んでいただきたいと思います。改めて市長の決意をお伺いいたします。

◎關市長 委員御指摘の雇用問題並びに野宿生活者問題は、これは現在、大阪市が抱えております極めて重要な課題であると認識いたしております。

 大阪の失業問題は、全国レベルから見ましても非常に深刻な状況にあります。特に若年者の失業率の高さは極めて憂慮すべき事態と考えております。大阪の都市魅力と国際競争力を高めまして、新しい雇用が生まれる活気ある大阪市の再生を図りますため、構造改革特区や都市再生緊急整備地域制度を活用しまして、民間投資誘導策を推進してまいりたいと考えておりますし、また新しい産業の創出や創業の促進、内外の企業誘致にも積極的に取り組んでまいります。

 このような取り組みの中で、また中小企業の経営支援、競争力の強化への支援、さらに極めて労働集約的な分野であります観光産業や福祉など、それぞれの分野の施策ごとに雇用創出目標を設定いたしてまいりたいと考えております。

 雇用のミスマッチの解消に向けたきめ細やかな労働・職業相談事業の実施、また先ほど御指摘ございました障害者や母子家庭の母親等の就職困難者への就業支援など、求職者支援事業を進めまして、予算市会までに5万人の雇用創出計画を策定いたしまして、この4年間でそれを実現してまいる決意でございます。

 また、野宿生活者対策につきましては、国の基本方針などに即しまして、また本市の実情に応じた施策を総合的かつ計画的に実施し、野宿生活者の自立を積極的に促進してまいります。また、新たに野宿生活者になることを防止するなど、野宿生活者に関する問題の解決を図るため、年度内に実施計画を策定してまいります。

 この実施計画に基づきまして、就業機会の確保、安定した居住の確保、保健及び医療の確保、生活に関する相談指導、自立支援事業などの総合的な自立支援策を進めてまいります。

 実施計画は5年間を計画期間といたしておりますが、計画期間内に問題の解決にめどをつけますためにも、全庁的な体制であります野宿生活者対策推進本部の本部長であります私のリーダーシップのもと全力で取り組んでまいる決意でございます。よろしくお願いいたします。

◆長尾秀樹委員 關市長、どうもありがとうございました。

 ただいま御答弁いただきましたように、ぜひ強いリーダーシップを発揮していただきまして、実現をしていただきますようお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。