【 平成1812月常任委員会(民生保健)-1215日−01号 】

◆澤野雅洋委員 恐れ入ります、自由民主党の澤野雅洋でございます。民生保健委員会に所属させていただきまして初めての質問でございます。今までに御議論ございました問題と重複する場合もございますが、どうか御理解賜りたいと思います。

 先週の7日に新聞報道がございました西成区のあいりん地域にございます44平方メートル、延べで173平方メートルの住居に3,300名もの住民登録があったという報道がございました。これは、市民感情からは、やはりあってはならないことでございます。到底、市民、納得できない問題でございます。

 今回の問題の背景に、求職者向け給付金、いわゆるあぶれ賃、また白手帳の給付を受けるための虚偽登録をされた可能性があるということでございます。日雇い労働者たちも、そもそも住民登録を求めること自体が無理があるという議論もございますが、これは国が決めることでございますので、この地方自治体の大阪市で責任と言われてもいたし方がない問題でございます。不適正な対応であったと言われてもいたし方がない問題でございます。日雇い労働者とホームレスの問題も同時に絡まり、大変根の深い難しい問題ではあろうかと思いますが、ぜひ大阪市全体の問題、一区の担当者の問題ではなしに、大阪市の全体の問題として受けとめていただきたい。

 この点につきまして、健康福祉局長のまず感想を述べていただきたいと思います。

◎白井健康福祉局長 お答え申し上げます。

 ただいま委員から御指摘がございましたが、新聞報道、私もそれを見て知ったところでございますけれども、44平米、建物は鉄骨5階建てで173平米が延べ床でございます。ここに、新聞報道は3,300ですが、3,530人住民登録がされておるというようなことでございました。もう、これは尋常ではない事態だというふうに、私も愕然としたところでございます。法に従って適正な処理が当然されるべきだというふうに考えておるところでございます。

 健康福祉行政に携わる者といたしまして、あいりんの課題というのは大きく重いものとして受けとめておるところでございます。

 その問題の本質は、ただいま委員御指摘もございましたけれども、居住や就労という、いわゆる生活の基盤に不安定な要因を抱えた多数の日雇い労働者の存在その後の高齢化というものがあるというふうに認識しております。それが、長年の経過の中で、保健衛生上の課題、また住環境を初めとする環境整備上の課題、その他、地域の安定阻害要因としての課題など、複雑で大きな地域社会課題となっておりますほか、本市の生活保護行政実施上の課題や、野宿生活者問題と大きく深く関連した課題となっておるという認識を持っておるところでございます。

 これに対しまして、私どもといたしましては、昭和40年代後半より、本市のあいりん対策連絡会議のもと、市会の御理解、地域の御協力もいただきながら、更生相談所事業であるとか、社会医療センターにおける無料低額診療であるとか、越年対策事業でございますとか、結核対策、一時保護や就労支援など、さまざまな対策を実施してきておりますが、根本的な解決には至っていないのが現状でございます。そうしたことが一因となって、今回のような状況を招いたのかということも感じておるところでございます。

 私どもといたしましては、このあいりん対策連絡会議を、関係する局がより効果的に連携いたしまして施策を進める必要があるとの観点から、平成1710月に、それまで5分科会の構成であったものを、福祉・医療分科会、それから住宅・まちづくり分科会と2つの構成にいたしまして、それぞれの局がその分科会に参画して、より一層効果的に連携して施策を進めるべきだということで取り組んでおるところでございます。

 私どもといたしましても、こうした経過、観点を踏まえまして、より総合的な効果的な施策の推進の一翼を担いまして、問題の解決に当たるように努めてまいりたいというふうに考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

◆澤野雅洋委員 今回の問題のビルの中に、5名の生活保護を受給されている方がいらっしゃるということでございます。そのほかにも、保護費を不正受給する目的で今回のように住民票を登録していた方がいらっしゃらないか、またこの5人についても、不正に生活保護を受給していないかを保護課さんの方でしっかりと確認されましたでしょうか。この点、お聞きさせていただきたいと思います。

◎上野健康福祉局生活福祉部保護課長 お答え申し上げます。

 生活保護を適用するに当たりましては、住民登録が要件となっておりませんけれども、厚生労働省の通知に基づきまして、保護を受給される方が現実に居住事実がある場所で行うということになっておるところでございます。また、保護を受給される方の生活状況等を把握するために、居住事実があるところに訪問調査を行うことになっておるところでございます。

 今回、保護を受給している5名につきましては、当該建物において、居住事実を訪問調査で確認しており、適正に生活保護を受給しているものでございます。

 そこに住民票を置きまして、ほかでというケースにつきましては、本来それとは連動するものではございませんけれども、住民票と生活保護の分はございませんけれども、その件につきましては、いろいろと今後、リスト等によっての調査ということになってこようかと思います。以上でございます。

◆澤野雅洋委員 今回の住民登録をしたビルでございますが、1軒のビルに、新聞報道では3,500名、先ほどの説明では3,700名、200名ふえてるんですけども、社会通念上は、これはまたあり得ないことでございますが、区の担当課は、今回の事実、もちろん気づいていたと思うんですね。それをなぜ、今回気づかなかったのか。また、その担当課さんのいわゆる意識、職員さんの意識というの、問題あったんじゃないかなと、事なかれ主義とかあったんじゃないかなというふうに思います。この点につきまして、これは市民局になるかと思いますが、よろしくお願いします。

◎清水市民局市民部区行政企画担当課長 お答え申し上げます。

 その前に、先ほど委員の方から御指摘ございました3,700の数字でございますけれども、新聞報道等では3,300という数字がございました。区役所の方で調査した結果、3,530ということになっております。

 それでは、お答え申し上げます。

 区役所の住民登録の担当者の中でも、その数字の多さには認識、気がついていたようでございます。ただ、書類審査であるために、届け出を受け付けざるを得なかったものというふうに考えております。

◎白井健康福祉局長 申しわけございません。先ほど私、報告を受けてます数字を申し上げたつもりでございましたけども、正しい数字は3,530と報告を受けておりますので、先ほどの御説明はそのようにおわびして、訂正申し上げます。申しわけございませんでした。

◆澤野雅洋委員 今回、この問題が発覚して、何かあったんですかね。圧力団体か何かあるのか、こういう疑問に、圧力団体が怖いから全部受け付けていたのか、そういうふうに思わざるを得ないところもございます。

 また、住民登録がなければ、求職者向け給付金、受給がもらえず、日雇い労働者の怒りが爆発して暴動が起こると懸念されると言われておりますが、確かに釜ヶ崎の環境の厳しさは増しておりますし、冬に向け、ホームレスの凍死等の事故が懸念されるわけでございますが、この給付を得るために住民票が必要なことを区役所の住民登録の担当課が心配するのも、これまた筋違いの話じゃないかなと思います。

 一方では、区役所から住民登録の紹介を受けたケースもあると報道されておりますが、これは果たして本当なのでしょうか、お聞きをさせていただきます。

◎清水市民局市民部区行政企画担当課長 お答え申し上げます。

 各種団体等からの圧力という御質問でございますけれども、西成区役所の報告によりますと、そのようなことはないというふうに聞いております。

 また、その背景についてでございますけれども、いわゆるあいりん地区という地域性があるのかもわかりませんが、住民登録がなされた背景には、国の制度でございます日雇い労働者の失業手当、いわゆるあぶれ手当の受給のために、雇用保険被保険者手帳、通称白手帳と呼ばれてるものですが、その白手帳の取得要件に住民票の添付が必要であるということも一因であったのではないかというふうに考えておるところでございます。

◆澤野雅洋委員 これは先ほど、課長さん、質問で区役所からあっせんしたかどうかという質問をさせてもらっているんですが、報道されてますよね。

◎清水市民局市民部区行政企画担当課長 お答え申し上げます。

 区役所の方であっせんと一部新聞報道されておりますけれども、それについては、ないということで聞いております。

◆澤野雅洋委員 今回、この問題を受けて、今後の市民局の対応を、ぜひ対応策を聞かせていただきたいと思います。

◎清水市民局市民部区行政企画担当課長 お答え申し上げます。

 住民基本台帳法に基づきまして、居住実態が伴わないものでございますが、住民登録は所要の措置をとるべきであるというふうに考えております。

 また、ただいま事実確認に向けて検討しておりますが、非常に苦慮しておりまして、関係機関とも連携いたしまして慎重に対応してまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。

◆澤野雅洋委員 ぜひ、これ市民の皆様にきっちりと説明できるように調査していただいて、また御報告いただきたいと思います。

 それと、参考のために、委員長、資料配付をお願いします。

○青江達夫委員長 澤野委員より、質疑の参考に資するため、資料の配付の申し出がありますので、これを許します。

◆澤野雅洋委員 その地域、やはり特殊性もあったと思うんですね。今回のビル以外にも、ほかの地域でこういう異常事態がないかどうか、ぜひ西成で調べていただきたいと思います。

 すみません、今回問題になっております住民登録では、選挙人登録をされて選挙権が付与されているとのことでございます。きのうは3,300人と聞いていたんですが、きょうは3,500人ということでございますが、全員に選挙権があったかどうかはわかりませんが、これは区によれば一連合町会ぐらいの人数になるんですね。その人たちが、一つの173平方メートルのビルに住居していたということでございまして、選挙人名簿の整理と事務作業時にこういった問題というのは発覚しなかったのか。選挙人名簿というのも、やはり我々も選挙をします。判こを押していきますので、本みたいになってるんですけれども、その本が物すごく厚かったと思うんですね。そういったところでこの問題に気づかなかったのか、選挙管理委員会にお問い合わせさせていただきます。

◎松浦選挙管理委員会事務局調査担当課長 お答えいたします。

 公職選挙法におきまして、選挙人名簿の登録につきましては、当該市町村の区域内に住所を有する年齢満20年以上の日本国民で、その市町村の住民票が作成された日から引き続き3カ月以上、登録市町村等の住民基本台帳に記録されている者について行うというふうに規定されております。

 委員御指摘の住民につきましては、この規定にのっとりまして、西成区におきまして選挙人名簿に登録されているところでございます。しかしながら、報道されているような状況につきまして見過ごしがあったことにつきましては、まことに遺憾でございまして、今後、選挙管理委員会といたしましても、名簿登録の際には細心の注意を払うよう、区選挙管理委員会を指導するとともに、関係局とも連携しながら、適正な選挙の管理執行を図ってまいりたいというふうに存じますので、よろしくお願いをいたします。

◆澤野雅洋委員 実はきのう、私、問題のビルを見にいかせていただいたんですね、きのうの夜に。そのとき、ちょっと写真を撮らせていただきました。

 資料を配付させていただいておりますけれども、びっくりしたんですけど、下が選挙事務所みたいになってるんですね。広報宣伝カー、いわゆる街宣車を置いていまして、また選挙の市会候補と書いてありましていろいろ書いてあるんですけども、これはこういう市会議員、我々も議員活動をさせていただく中で、本当に3,000名、票があるという、いわゆる有権者が名簿に登録されてる方がいらっしゃるわけでございますけども、大変大きいんですね3,000名以上といいますと。その方々が一つのビルに、選挙事務所の上にこういう登録をされている。こういったことは、やはり社会通念上、通用しない話だと思うんですね。

 これにつきまして、公職選挙法上の違反というのもなかったのかなと私は考えております。ぜひ、それにつきましてのひとつ見解というのはございますかね。

       松浦選挙管理委員会事務局調査担当課長 今、委員御指摘の、当該建物に事務所が置かれているということについての法的問題ということでございますけれども、特に政治活動事務所でありますとか選挙事務所について、設置場所について規制はございませんので、法律的な問題という観点からいきますと、直ちに違法ということにはならないかというふうに存じます。

◆澤野雅洋委員 今現在、法律的には問題がないということでございますが、やはり来年度、選挙もございまして、事前運動等、いろいろ法律的なやはり縛りというのを見ていただきながら、ぜひ今回の問題、対処していただきたいというふうに思います。

 今回、これからも事務局サイドには、ぜひ厳しいチェックをしていただきたい、そのように要望させていただきます。

 また、今回の市政改革、今、本当に市長さんを初めまして大変進められておりますけども、ホームレス対策等、大変根の深い問題もございます。

 やはり、このような報道がされている中で、市民感情は大変市に不信感を持たれてる結果になっておるわけでございますが、今回の問題、選挙権の付与、また保険証の交付等、地方自治の根幹にかかわる大変大きな問題があると思います。区役所の担当の方が、今回はいいわいいわという積み重ねで、いわゆるこれは住民基本台帳の法律にもかかわってきて、すべて、税金もそうでございます、大変大きな問題でございますので、ぜひ再発防止、また西成区等地域の特殊性も含めまして、もう一度新たに見直していただきたい、そのように厳しい調査をぜひお願いをさせていただきたい、そのように申し上げまして私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。

◆大西宏幸委員 すみません、ちょっと、補足質問させていただきます。

 市民局、もう一度ちょっと聞かせていただきたいんやけども、その周辺、もう一度調査、いつまでにちゃんとできるかってちょっと公言しといて。ちゃんと調査するか、大体どれぐらいでちゃんと調査するか、はっきりとちょっと答えといてください。

◎清水市民局市民部区行政企画担当課長 居住確認の調査をいつまでにというお話でございますけれども、現在、事実確認に向けて検討しております。

 非常に苦慮しておりまして、関係機関とも連携協議しながら慎重に進めてまいりたいというふうに考えております。どうぞよろしくお願いします。

◆大西宏幸委員 課長さんじゃちょっと答弁できへんかもわからへんけども、各会派の先生方おられます。うちのところは幹事長もおられますので、これは会派の要求として、これ早急に調査して、できるだけ早く原状を回復しなきゃいけないと思います

 これ、ほかにもある可能性もあるし、それを解決いたしまして普通に戻していかないけないということでございます。

 それと同時に、選管、これのビル自体に、今まで投票行った経緯等々の調査やってください、どうですか。

       松浦選挙管理委員会事務局調査担当課長 今、御指摘ございました当該住所地を含む投票区を含めた投票状況につきましては、調査をさせていただきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。

◆大西宏幸委員 では、そういうことでよろしくお願いします。以上です。

◆待場康生委員 私も、今質疑がありましたあいりん地区の44平米に3,300人の住民登録というのに関連してお尋ねしたいんですが、再度確認という意味でお尋ねしたいんですけども、今、大西委員がお話しされた、このビルだけなのか、やっぱり類例をきちっと調べていただくというのは、我が党もそのように思っておりますので、よろしくお願いします。

 それで、市民局に再度確認しますけれども、この3,300人がこの44平米のビルに住民登録しておった、このこと自体は、区役所は、新聞によりますと、明らかに数が多くおかしいと思っていたが、ふだんの業務にかまけて対策をとっていなかったというのが区役所の住民情報課の弁なんですけども、これ区役所は責任がないのかということが一つと、それから、こういうことというのは罪にはならへんのかということを、2つお聞きします。

◎清水市民局市民部区行政企画担当課長 区役所の職員におきましても、多数の数に上ってるという認識がございました。その点につきましては、刑法上の犯罪構成要件には該当しないというふうに考えております。犯罪構成要件には該当しないということで、犯罪ではないというふうに理解しております。

◆待場康生委員 これが何で新聞に出たんかというと、京都府警で、要するに有印私文書偽造容疑でこの西成区役所の無職の男性の住民票を、その男性に成り済まして転入届を出したから偽造で問われて、これが報道された、これが罪になるんやなと思うんですね。

 それで、新聞報道によると、実態のない住民登録は犯罪に使われる可能性があると。架空登録がわかれば、住民基本台帳法に基づいて職権で削除する構えやと、そういう報道があるんですけども、さっきもお尋ねがありましたけども、本当にそういう構えというか、慎重にという話がありましたけど、ちょっともう一回、市民局から答弁してください。

       清水市民局市民部区行政企画担当課長 お答え申し上げます……。

◆待場康生委員 ほな、もういいです、ありがとう。ごめんね。すみません。そしたら−−いやもう結構です。いいです、ありがとう。そんなんすり合わせしてへんから。ごめん。

 助役、来ていただいていますんで、こういう話というのは何十年も前からもう続いてたと思いますし、実態がなくても住民登録があればサービスが受けてもらえるということで、区役所ではこういうのを受けてきてたわけですよね。

 区役所だけの責任ではなくて、これ、市として何の手も打ってこなかったということが言えるんですけども、市のトップ、市長名代で助役ですけども、市として、その見解をお尋ねします。

       柏木助役 今、突如お尋ねのことでございますので、正確な知識等を得ておりませんけれども、やはり行政のことでございますので、適法に、適切に、また、だれが見ても納得できるような仕方というのが非常に重要なことだと思っておりますので、これまでそのことを看過してきたということについては、やはり反省すべき点が多いんではないかなというふうに思っております。

◆待場康生委員 助役、そのとおりで、このまま放置しておれば犯罪に使われる可能性が十分にあるわけで、やはりきちっとした対応が必要やとは思います。

 思いますが、そこで健福局にお尋ねするんですけれども、このように居住実態が伴わない、所要の措置をとるべきやとは思うんですけども、健福として、福祉やとか雇用保険の分野において、どのような影響が出てまいるんでしょうかね、お尋ねします。

◎上野健康福祉局生活福祉部保護課長 お答え申し上げます。

 福祉や雇用保険の分野におきまして、住民登録を前提とした制度がございます。例えば、あいりん労働公共職業安定所が発行している雇用保険日雇労働被保険者手帳、いわゆる白手帳を初めまして、国民健康保険、介護保険などがございます。そうしたものは、職権消除にされた場合には住民登録地と住所地が一致しなくなることから、これらの資格を喪失するなどの影響が出てくるものと思われます。以上でございます。

◆待場康生委員 このあいりん問題は、高齢化が進みますし、もうどんどん御存じのとおり労働環境が悪く、特に日雇い労働者を取り巻く環境というのは悪化の一途をたどっているわけでございます。

 この3,300人が44平米にというのは物すごいショッキングな数字なんですけども、極めて不自然やという、だけどこのビルに、こんな狭いところに住民票を置いておられるという、置いておられて、遠方へまた働きにいかれる、仕事がないから働きにいかれる、またほかの施設に入所されてる。それからまた入院されてるとか、いろんなケースがあると思うんですね。

 だけども、住民票をこの新聞報道にあるように職権でもう抹消してしまうということは、行政として、しなければならないかもわかりませんけれども、そういうことをすれば、白手帳の取得が困難な労働者が発生してくるという影響が出てくるというお話でした。このような方に、一律に職権で全部抹消してしまうとなると、ちょっとやっぱり影響が大き過ぎるんではないかなという思いがしまして、やっぱり慎重に進めなあかんと思いますけども、局はどうお考えですか。

◎上野健康福祉局生活福祉部保護課長 お答え申し上げます。

 白手帳の取得や国民健康保険や介護保険の資格取得などにおきまして、日雇い労働者の生活に影響を及ぼす懸念がございます。

 現在、市民局におきまして、居住実態を十分把握して、どのような処理が必要なのか、調査を行っているところでございます。あいりん対策を所管する立場といたしまして、居住実態の調査に協力いたしますとともに、調査の結果を踏まえ、あくまで制度の適切な運用を前提として、配慮する必要があれば可能な限り取り組んでまいりたいというふうに考えております。以上でございます。

◆待場康生委員 話変わるんですけども、あいりんと、やはり日本全国で有名なんは東京の山谷、それから横浜の寿町、それから名古屋の笹島というのがいつも挙げられると思うんですけども、山谷というのは、私たち、皆さんもそうですけど、若いときに岡林信康ですかね、「山谷ブルース」というような歌がはやったりして大変有名になったとこですし、かつては日光街道に面しまして宿場町からスタートしたドヤというか寄せ場なんですけども、これがどんどん縮小していってる。

 山谷も、それから寿町も笹島も、どんどん縮小していってるのに、このあいりん地区だけが何で厳然と残ってるのかなという質問をしたいわけで、山谷は何で減っていったんかということをやっぱりしっかり学習せなあかんやろなと思うんですね。これは、何で減っていったか御存じですかね。突然ですが、また立ち往生しはりませんかね、ちょっとお聞きします。

◎上野健康福祉局生活福祉部保護課長 お答え申し上げます。

 同じ寄せ場機能があるわけでございますけれども、大阪市のあいりん地域と申しますのは、もう全国一の分でございます。昨今の状況によりますと、かなりその寄せ場機能としての分が昔とは変わってきておりますけれども、やはりそういった規模が大きいということで、また全国から比べましても、非常にそういったところでの分で、また入って来られる方もおられるということが原因ではなかろうかなというふうに考えております。

◆待場康生委員 また入って来はるんですかね。

 それで、ちょっとあいりんもいろいろ施策とっておられて、こういう狭いところに3,300人も住民登録せなあかんという状況なんですけども、大阪市もただじっと見てたわけではなくて、例えば自立支援センターというのは西成に80人、大淀に100人、淀川に100人。それから、高齢者、病弱者を対象にして生活ケアセンターというのが244人、これは短期間ですけれども、そういう施設もある。それから、公園の中の仮設一時避難所、西成で200人、それから大阪城公園が300人。大阪城公園の場合は、平成14年で3カ年計画やったんですけど、いつの間にか延長延長してはるわけで、この仮設一時避難所もある。それから、西成のこのあいりんには、臨時夜間緊急避難所という、いわゆる夜間シェルター、これはあいりんには600人が入れて、萩之茶屋には440人が入れるという、こういう施設を持ちながら、なおかつこういう不自然な形でまかり通ってる。

 さっき申し上げた3つの地域は、どんどん福祉のまちになっていってる。

 一方、さっきも課長から答弁がありましたけども、どんどんあいりんに集まって来ておられる。日雇い労働市場の機能として、あいりんがまさに集約されておるという状況なんですけども、市としては、これだけの施設とか整備されてるんですけれども、なおかつこのあいりん地区がなかなか減らないという理由は何なんですかね、ちょっと教えてください。

◎白井健康福祉局長 お答え申し上げます。

 私どもも、あいりんのそういう我々の施策の対象者がどんどん増加していくということは決して好ましいと思っているわけではございませんでして、やはり労働者のそういう生活基盤がしっかりいたしまして、まちが健全な発展をしていくと、そういう方向に向けての施策が必要だというふうに考えているところでございます。

 なぜ、あいりんが、ほかのそういうふうな寄せ場と異なって、いまだにそういう労働者が流入してくるのかということについては、大変難しい多面的な分析が必要な課題であろうかと存じておりまして、我々としてもいまだに答えが見出せてないところでございます。ただ、我々もあいりんのそういうまちの特性といいますか、例えば匿名性でございますとか、今回のそういうふうな事件の中でも一部報道されてますけども、そうしたことも人を呼び寄せるようなある種の要素になっておろうかと思っております。

 ただ、私ども、あくまでも先ほど申しましたように、まちの健全な発展というのは大事でございますので、現在、そこに簡易宿泊所などに寝起きをしてますそういう日雇い労働者に対する緊急非難的な措置としてやっておりますものは、あくまでもそこにいる日雇い労働者に対して限定して実施をしていくべきだというふうに考えております。

 ちなみに、これまでも越年対策をやってきておりますけども、これも年末の時期に外部から流入してくるというふうな者も一部見られますので、我々、こうした者はできるだけ排除していきたい。

 ことしは、あいりんでは、公衆衛生の問題で結核対策を重点的に取り組んできておりますけども、必ずその結核対策のときには受診カードというものをつくっていただいております。ことしは、もう早い段階から、9月、10月の段階から、各地区内の例えば更生相談所でございますとか、そういう人がたくさん目にするようなところに、ことしの越年対策についてはそういう受診カードをしっかりと持っておられる方、そういう方を対象としてやっていくということも明確にしておるところでございまして、できるだけ安易に、このあいりんの我々がやってます施策を利用して、そういうふうにここに人が集まってくるというふうなことのないように、しっかりと効果的な施策の実施ということで取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。

 いずれにいたしましても、これまでの施策が十分な成果を上げておりませんでして、本日の御指摘いただいたような多くの問題を抱えておるところでございまして、今後、関係局とも連携して、一層総合的な効果的な施策の実施に努めてまいりたいというふうに考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

◆待場康生委員 私、まだ質問の半ばなんですが、結論を急がんとってほしいと思うんですが、ちょっと局長がここで出てくるとは夢にも思いませんでしたから。

 そしたら、あいりん対策関係のお金、どのぐらい使うてはるのか、ちょっと主な項目別で、総額と、ちょっと教えてくれますか。

◎上野健康福祉局生活福祉部保護課長 お答え申し上げます。

 あいりん対策に係る経費についてでございますが、健康福祉局におきまして、高齢者や病弱者の労働者に対しまして、年末年始にかけまして、困窮する日雇い労働者に対する越年対策事業、これを実施しております。平成18年度予算で2億5,400万円ということでございます。

 また、あいりん地域内及び市内各所の環境美化を図るとともに、労働者の雇用を確保するため、生活道路清掃事業や除草等の事業といたしまして約3億500、また、労働者に対する医療対策として、大阪社会医療センターへの運営整備助成といたしまして7億2,600、このほか臨時夜間緊急避難所、いわゆるシェルターでございますけれども、これの管理運営とか、更生相談所の運営など、こういったことを実施しておりまして、これらの事業にかかります平成18年度の予算は、全体で約173,500万円ということになってるところでございます。以上でございます。

◆待場康生委員 今、横から、あいりん地区にはお金をかけ過ぎやというお話もありましたけど173,500万がふさわしい数字かどうかちょっとわかりませんけれども、厳然とこれだけ予算をかけても残っておるということであります。

 それで、今お話がありました高齢者日雇い労働者等の生活道路清掃・除草事業ですね、これがずっと国の緊急地域雇用創出特別交付金というのが16年まで出ておったようですけども、17年度は市の単費で、19年には切れるんですね。そうしたら、もう年明けたら即、まだ来年はいけるという思いがあるかもわかりませんが、年明けたらもう20年度のことを考えなあきませんけども、3億500万、これが切れてしまうと大変なことになるやろうなと。それでのうても、大阪市の生活保護は2,200億円を超えて、約4分の1が一つの区に投入されてるというのはまさに不自然ですし、全部生活保護に流れてしまうというのは大変つらいものがあるんですけども、この特掃についてどうお考えか、お尋ねします。

◎上野健康福祉局生活福祉部保護課長 お答え申し上げます。

 今、御質問の生活道路清掃事業及び除草等事業、いわゆる高齢者の特別清掃事業についてでございますけれども、あいりん地域の環境美化や市内各所での環境美化を推進いたしますとともに、雇用環境が悪化している高齢日雇い労働者の就労支援として実施しているものでございますが、これらの事業は、こういった高齢の労働者が野宿生活に至ることの防止に有効な事業であるというふうに認識しております。

 今後の施策のありようにつきましては、実態を踏まえまして十分検討してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。

◆待場康生委員 この件に関しては、大変私も危機感を持っておりますし、局も同じであろうと思います。

 それで、局として、もう局長が答弁してしまいはったんですけども、この就労を初め健康福祉、生活の環境、局だけで見ても多くの課題があると。さっきも申し上げましたけども、どんどん労働者が減少していって、一方、高齢化が進んでおると、生活保護の受給がふえるというこの状態で、あいりん地区に対する局としての考え、それから取り組みをお尋ねします。

◎宮崎健康福祉局福祉援護担当部長 お答えを申し上げます。

 あいりん地域におきましては、日雇い労働者の不安定就労や高齢化の問題あるいは道路・公園等における野宿生活者の問題、またそれらに伴って生じます生活困窮や結核罹患、さらには生活環境の問題等、数多くの課題が広範囲にわたっているところでございます。

 これらの課題の解決に向けまして、種々の福祉医療の施策を進めることにより、あいりん地域の環境改善と地域の福祉向上を目指しまして努力を重ねてきたところでございますが、委員御指摘のとおり、根本的な解決がなされないまま今日に至っているのが現状と認識をいたしておるところでございます。

 本市におきましては、昭和47年にあいりん対策連絡会議を設置いたしまして、福祉、医療、住宅、生活環境、越年の5つの分科会を設けまして、あいりん地域の環境改善等に取り組んできたところでございますが、こうした厳しい状況のもと、昨年10月に、より効果的に施策を進めます観点から、従来の分科会を整理統合いたしまして、福祉・医療対策分科会、それと住宅・まちづくり対策分科会の2つの分科会に改組いたしたところでございます。

 私ども、福祉・医療対策分科会の事務局を担います健康福祉局といたしましては、今後、関係局との一層の連携強化を図りながら、日雇い労働者や野宿生活者の抱える問題の状況に対応した施策を着実に進めますなど、あいりん地域における諸課題の解決に向けまして鋭意取り組んでまいりたいというふうに考えております。以上でございます。

◆待場康生委員 今、宮崎部長からお話がありました大阪市あいりん対策連絡会議、昭和47年に立ち上げて、1710月に改組されて、医療・福祉の分野と、それから住宅・まちづくりの分野と2つに分かれて、連携をとりながらやってるという話ですけども、計画調整局、この住宅・まちづくり対策分科会というのは、今、どのような取り組みをされてるかお尋ねします。

◎佐藤計画調整局開発企画部市街地整備担当課長 お答えいたします。

 先ほども健康福祉局より答弁がございました、環境改善を図るために、まちづくりのあり方について検討の場を設けることとし、平成1710月に改組いたしたところでございます。

 これを受けまして、平成1711月に2分科会、福祉・医療対策分科会と私ども住宅・まちづくり対策分科会の合同の幹事会を実施いたしたところでございます。

 また、本年6月に住宅・まちづくり対策分科会を開きまして、あいりん地域における周辺環境の把握や住居のあり方、道路・公園の管理のあり方などにつきまして、課題の抽出を関係局と連携しながら今現在行っておるところでございます。よろしくお願いいたします。

◆待場康生委員 ただいま、課長からその経過をお聞きしましたけども、それでは今後どうされていくのか、どう取り組まれていくのか、部長、お尋ねします。

◎井上計画調整局地域計画担当部長 お答えします。

 先ほども答弁にございましたように、あいりん地域には福祉対策から越年対策まで、非常に幅の広い問題が山積みしております。それこそ、まちづくりの基本ですが、課題解決に向けては、そういった雇用や福祉・医療などのソフト面、それから、もちろん道路や公園、住宅などのハード面などの対策が連携するということで初めて進むものと考えております。

 私ども住宅・まちづくり対策分科会におきましても、先ほど課長が御答弁させていただきましたとおり、課題抽出等を行いながら、そういった課題の整理、それからソフトとどういうふうなかかわりを持ってそれが動き出すのかというような検討を初め、福祉・医療対策分科会と密に連携を図りながら、そういった課題解決について進めてまいりたいと考えております。

◆待場康生委員 ちょっと部長、いつまでにやるか、ちょっと教えてください。

◎井上計画調整局地域計画担当部長 そういった時期につきましても、もちろん長い経過等を私ども把握しております。ただ、一概にここでそういった短期構想が、ことしできるとか、今そういうような段階ではございません。

 非常に私ども、関係局等と課題の抽出などの作業を進めておるんですが、そういったものを見きわめながら、現実的に解決できるような方策というものを、早いうちに私ども検討していきたいと考えております。

◆待場康生委員 役所の答弁いうたら、何であないマジックみたいな話になるんでしょうかね。ようわからへんですね。

 助役に最後お尋ねします。

 あいりん対策連絡会議というのは、昭和47年からできて、今、所管する2つの健福局、計画調整局に、それぞれあいりん地区のこれまでの取り組みの経過、それから今後の決意を聞いたんですけど、もう一つようわからへん井上部長の答弁でした。

 あいりん地域は、福祉、健康、雇用、住宅、生活環境など、その問題は今も指摘があったように大変広範囲になってますし、まさに施策の矛盾が全部ここに凝縮されてるような気がするわけです。

 これまでの大阪市のこのあいりん対策というのは、その日雇い労働者やとか野宿生活者に対する、すべてが対処療法で終わってるんではないかと思うんですね。だけども、あいりん地区に集まってくる方々というのは、自分の体で働いて生きていきたい、また働くことが唯一の生きがいやという人が多くあいりん地区に集まってきたはずなんですね。この人たちの思いをやっぱりしっかり生かしていかなあきませんし、仕事も生活も医療も福祉も、まさに今、高齢化してきましたけども、老後の余生も、安全で住みよい、住み続けられるまちづくりをしていかなければならないと思うんですけども、それをどうしていけばいいのか。ハードとソフトの両面で、まちづくりの観点も含めて、総合的な計画を私は策定すべきではないかと思うんですね。

 既に2年前に、都市経営諮問会議でも、このあいりん問題が議論されてるはずです。今、両局からお聞きしましたあいりん対策連絡会議という組織は立ち上がりました、確かに。だけども、これを丸投げで大阪市の中心者が、あんたらやれというような形では許されへんと思うんですね。大阪市としては、こういう考えを持ってる。またトップである市長を中心とする方々が、このような方向性で進めたいということをはっきりとあいりん対策連絡会議に物申さないと、示さないと、いつまでたってもああいう、何というか、検討しますとか、言葉のマジックを聞いてると、こういうことしかいかへんのですけども、柏木助役、申しわけないですけども、具体的に、いつまで、どうさすんや、どういう方向にするんやということを明確に答弁してください。

◎柏木助役 お答え申し上げます。

 待場委員の方から、具体的にいつまでにということで明確に答弁をということでございますが、私自身、今、そういうことについてはなかなか御答弁難しいもんやと思っておりますが、自分自身、あいりん地域のところで生まれましたし、育ちましたので、20年間ほど、ずっとよく知っています。自分が育ったころでいいますと、地下鉄もありましたし、下水も通っておりましたし、非常に元気のあるところでありました。それが年々、逆に悪くなっているというのが、本当に私、個人的にも非常に思っているところでございます。

 それが、先ほどから健康福祉局が御答弁いたしてますように、あいりん地域の問題が、いわゆる日雇い労働者がお年を召してくるという中で、またその人たちが野宿者になっていくとか、そういう状態を踏まえまして、生活保護なり社会医療センターの医療あるいは生活ケアセンターとか、さまざまなそういう行政についてやってきたわけですけれども、そのことがあいりん地域の環境改善にすごく寄与したか、先ほど健福局長が御答弁させていただいたように、これまでの施策が果たそうとした役割を十分なされてたかというと、いささか、やっぱりその成果は上がらなかったんではないかないうふうに思ってます。

 ということで、先ほど計画調整局で御答弁させていただきましたように、やはりこの協議会におきましても、医療・福祉、そういった分科会と、それから住宅・まちづくりの分科会、言葉だけの連携ということだけではなくて、本当の意味でこの地域をどうするんだという意気込みを持って取り組むべき時期に来ているんではないかなと、単なる対処療法的なことでの福祉的な施策だけでは、この地域は昔ほどの元気、活性化することはできないものと考えておりますので、今後、この協議会を積極的に進めまして、まちづくりという観点も含めて、中期的な視点に立ってしっかりやっていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

       待場康生委員 生まれ育ったとこや言うてはりますから、よろしくお願いします。以上でございます。ありがとうございました。