【 平成18年3月定例会常任委員会(文教経済)-0324日−02号 】

P.8 ◎ 中村ゆとりとみどり振興局長

また、8款ゆとりとみどり振興事業費の緑化推進事業 3,800万円は、大阪城公園に設置しております仮設一時避難所の解体撤去工事でございます。これは大阪市野宿生活者対策推進本部におきまして、当仮設一時避難所の設置期間を1年間延長し、引き続きホームレス対策を進めてまいることとしており、解体撤去工事につきましては来年度末に行う予定となっております。

 したがいまして、いずれも18年度に繰り越して実施いたしたく、今回繰越明許をお願いするものでございます。以上が平成17年度一般会計補正予算案の内容でございます。

◆辻義隆委員 公明の辻でございます。

 先ほどお話ありましたゆとりとみどり振興局の補正予算の繰越明許費ということで、公園のホームレス対策についてお伺いをしたいと思うんですけれども、撤去費用 3,800万円上がっておりますが、一応大阪城の公園の中の仮設一時避難所が、もう1年設置期間延長という形になりまして、解体撤去工事を来年度に行うというお話でございますけれども、市内の公園におきますホームレス対策の実施状況についてちょっとお伺いできますでしょうか。

◎千坂ゆとりとみどり振興局総務部公園施設管理担当課長 お答えいたします。

 本市におきましては、平成11年7月に市長を本部長とする大阪市野宿生活者対策推進本部を設置し、野宿生活者問題を全庁的課題と位置づけ、関係機関と連携を図りながら、公園内のテント・小屋がけ等の物件の撤去・指導など必要な措置を講じてまいりました。

 その結果、市内の公園に起居する野宿生活者のテント・小屋がけの数は平成12年8月の調査の 2,593件をピークに、本年2月末現在では 851件に減少いたしました。以上でございます。

◆辻義隆委員 今御説明いただきました。私もちょっと資料をいただきまして、このような感じで、平成8年の段階はわずか小屋がけが 374だったんです。不況の中でぐんぐんアップして、ピーク時 2,593ということで、その前年の11年にこういう推進本部を立ち上げられてやっているということで、だんだん下がってきまして、現在 851ということで、もうひと頑張りで平成8年の段階までいけるとは思うですけれども、ただちょっと気になりましたのが、やっぱりこういう事業をしておりますとお金の部分ですね、随分かかっているのではないかということで、この間、ゆとりとみどり振興局としてどれだけの経費をかけておられたのか、またその経費に見合うような十分な効果が上がっているのか、その辺の点につきましてお伺いをしたいと思います。

◎千坂ゆとりとみどり振興局総務部公園施設管理担当課長 お答えいたします。

 公園の野宿生活者対策に係る経費につきましては、平成12年度から平成16年度までの決算額で申し上げますと、主には長居公園、西成公園、大阪城公園に順次設置いたしました仮設一時避難所の経費や警備費を合わせて5年間で約23億円となっております。

 その内訳といたしましては、仮設一時避難所の設置に係ります施設のリース代、施設の解体撤去費、施設閉所後の公園復旧費、ガードマンによる公園内の巡回警備費でございます。

 次に、仮設一時避難所を設置いたしました長居公園、西成公園、大阪城公園の野宿生活者のテント・小屋がけの数につきましては、平成12年8月には3公園の合計で 1,264件存在いたしましたが、本年2月末には約7分の1の 184件に減少をしております。このことは、仮設一時避難所を設置し、積極的に入所誘導を図って、テント・小屋がけの撤去に努めた結果であると考えております。以上でございます。

◆辻義隆委員 今お話いただきましたように、5年間で23億円がかかっているということでございました。それなりの結果なのかどうか、比較するすべもないわけですけれども、しっかりと頑張っていただきたいなというふうに思います。

 一方で、ホームレス対策といいますと、健康福祉局もかかわってくる話でございます。16年3月に大阪市野宿生活者(ホームレス)の自立の支援等に関する実施計画というのを立てられまして、本腰を入れられていると思いますけれども、きょう健康福祉局も来ていただいておりますのでお聞きしたいんですが、本市全体のホームレスの現状と、それからこの実施計画に基づくホームレス対策がいかように進んでいるか実績についてお伺いをしたいと思います。

◎梶原健康福祉局生活福祉部ホームレス自立支援事業担当課長 お答えいたします。

 主な野宿生活者対策についてでございますが、巡回相談事業の平成11年8月から18年2月末までの面接の実績につきましては、延べ4万 2,987件となっております。そのうち新規に面接をさせていただいた件数は1万 1,072件。自立支援センターへの入所につながったものが 3,130件、医療機関等での受診や施設入所等の福祉的な支援に係るケースにつきましては延べ 4,318件となっております。

 自立支援センターの平成1210月から18年2月末までの実績でございますが、入所者の総数 3,130名、退出者の総数は 2,892名となっております。退所者のうち就労による退所者の方は 1,252名、退所者総数に占める割合といたしましては、43.3%となっております。

 入院や生活保護施設入所などによる退所者の方は 255名、 8.8%となっております。以上でございます。

◆辻義隆委員 現状につきましては、今の御説明のとおりだと思うんですけれども、先ほどゆとりみどりにも公園対策ということでお聞きをしたわけですが、この間のホームレス対策にかかりました経費はどうなっているか、また、今後自立支援事業の取り組みということなんですが、今就労の部分で43.3%という就労率が出ていました。大変御高齢の方もいらして平均年齢も高いということですので、就職につなげるというのは難しいとは思うんですけれども、やっぱりちょっとこの辺のところをしっかりしないと自立支援には結びついていかないと思いますし、経済界なんかとも御連携いただいて、18年度はしっかりした目標を立てて頑張っていただきたい。就労率のアップに力を尽くしていただきたい。その点につきましてお伺いをしたいと思います。

◎梶原健康福祉局生活福祉部ホームレス自立支援事業担当課長 お答えいたします。

 健康福祉局関係の野宿生活者対策の経費についてでございますが、公園内の仮設一時避難所の運営、巡回相談事業、自立支援センターの整備運営など、平成12年度から平成16年度までの決算額でございますが、合計約43億円となっております。

 自立支援の推進につきましては、本年1月に開設させていただきました自立支援センター舞州1及び舞州2の各入所定員 100名が入りましたので、自立支援センターの入所数といたしましては 490名となっております。

 自立支援センター舞州の開設に伴いまして、舞州1でおおむね1カ月程度安定した生活のもと、健康の回復を図っていただき、個々の状況の把握を的確に行いまして、それぞれに適した支援プログラムを作成いたしました後に、他の自立支援センターにおきまして技能講習、あるいは職業訓練等を初めとしました種々の支援を進めてまいりまして、速やかな就労による自立を図り、就労退所率は60%を目指してまいりたいと考えております。

 また就労退所されました方に対しましても、再び失業などにより野宿とならないように、職場定着指導など安定した生活が維持継続できますように、アフターケアも行っているところでございます。

 今後とも、より一層の野宿生活者の自立支援を図り、野宿生活者問題の解決に努めてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。

◆辻義隆委員 今御答弁いただきましたように、就労退所率60%、非常に高い目標ですけれども、しっかり頑張っていただきたいと思います。

 経費の方なんですが43億円ということでこれも莫大な経費がかかっています。ですからこの12年度から16年度までの間、ゆとみどと健福で66億円、これにかかっているということで、私の手元には、17年度予算と18年度予算の資料もあります。17年度の予算ではゆとみどの方が3億 6,000万円ちょっと、18年度が1億 9,000万円、健福の方は17年度が13 8,000万円、18年度が12 6,000万円。大体丸めて12年度から18年度、7年間であらわすと、97 4,000万円というような額のお金がやっぱり投入されているということでございまして、市民の血税でございますので、しっかりと対処をお願いしたいと思いますし、それなりの結果を出していただくことが一番大事だなというふうに思います。

 ゆとりとみどり振興局にお伺いしたいんですけれども、ホームレス対策、毅然とした態度でとか、法的措置というお言葉が予算委員会の中でも出ましたけれども、今後、どのようなスケジュール観できちっとやっていくのかということをお伺いしたいなというように思います。

◎松井ゆとりとみどり振興局施設管理調整担当部長 お答えいたします。

 市内の公園におけるテント・小屋がけ数につきましては、先ほども担当課長が申し上げましたとおり減少はしておりますが、今なお公園のテント・小屋がけにつきましては、子供が安心して遊べない、市民の憩いの場所として利用できないなど、市民の苦情も多数寄せられております。

 このような状況にかんがみまして、当局といたしましては、今後とも自立の支援等に関する諸施策との連携を図りつつ、より一層公園の適正な管理に努めるため法的措置を見据え、関係機関と調整を図りながら毅然とした態度で取り組んでまいりたいというふうに考えております。よろしくお願いをいたします。

◆辻義隆委員 関係する機関との連携ということで、いろいろあると思いますけれども、早急にお答えをいただきたいというふうに思います。

 今、ゆとみどさんと健福さんに出ていただきましたけれども、やっぱり市民はこういった実態を知らないというふうに思います。これだけのお金をかけながら、どんな成果が上がっていて、どんな施設があって、どのように利用されているか。目に見える形で私はもっと広報・宣伝すべきやというふうに思いますし、ホームレスの中にはあらぬ情報を耳に入れられて、一時避難所なんかに行くと、非常に規制があるというふうな情報も出回っているというふうに聞いておりますので。

 私も待場さん、上田さんと一緒に一時避難所を見せていただきましたけれど、冷暖房もありますし、洗濯機もありますし、調理器具もありますし、非常にいろいろな設備が整っているということをしっかりと知らしめてほしいと思います。

 いろいろお話をしていると、NPOとか市民団体との連携がまだまだ薄いというお話をお伺いしましたので、その辺のところもしっかりと力を入れていただきたいというように思います。

 余り横浜の例を出すのは、僕、好きじゃないんですけれども、横浜のホームページを見ますと、大阪の健康福祉局よりは随分まだ詳しく出ております。

 横浜のおもしろいのは、きょうちょっと住宅局とも話をしていたんですが、横浜市民間住宅あんしん入居事業というのをやっていまして、市内の不動産屋さんとタイアップしまして、市が入居者のために支援をすると。保証人がないということで、入居ができないというような、ホームレスを含めて障害者の方とか高齢者の方とかいう支援プログラムもあるということなんで、これは推進本部の中に住宅局も入っているということですので、しっかりと連携をしていただいて、早急にこのホームレスがやっぱりなくなっていく、減っていく、就労の喜びを味わえるというような仕組みをつくっていただきたいなと切に願っておりますので、どうかよろしくお願いします。以上で終わります。