165-衆-財務金融委員会-5号 平成18年11月10日

 

平成十八年十一月十日(金曜日)

    午前十時一分開議

 出席委員

   委員長 伊藤 達也君

   理事 井上 信治君 理事 竹本 直一君

   理事 林田  彪君 理事 増原 義剛君

   理事 宮下 一郎君 理事 池田 元久君

   理事 古本伸一郎君 理事 石井 啓一君

      井澤 京子君    伊藤信太郎君  石原 宏高君    江崎洋一郎君

      小川 友一君    小野 晋也君  越智 隆雄君    木原  稔君

      佐藤ゆかり君    関  芳弘君  土井 真樹君    中根 一幸君

      長崎幸太郎君    萩山 教嚴君  原田 憲治君    広津 素子君

      福田 峰之君    牧原 秀樹君  松本 洋平君    御法川信英君

      盛山 正仁君    安井潤一郎君  小沢 鋭仁君    川内 博史君

      鈴木 克昌君    田島 一成君  田村 謙治君    高井 美穂君

      寺田  学君    馬淵 澄夫君  谷口 隆義君    佐々木憲昭君

      野呂田芳成君    中村喜四郎君

    …………………………………

   財務大臣         尾身 幸次君

   国務大臣(金融担当)       山本 有二君

   内閣府副大臣       渡辺 喜美君

   財務副大臣        田中 和徳君

   財務大臣政務官      江崎洋一郎君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局長)  三國谷勝範君

   (金融庁総務企画局総括審議官)          中江 公人君

   (金融庁監督局長)    佐藤 隆文君

   (総務省大臣官房審議官) 岡崎 浩巳君

   (財務省主税局長)    石井 道遠君

   (国税庁次長)      加藤 治彦君

   (厚生労働省大臣官房審議官)           御園慎一郎君

   参考人

   (日本銀行総裁)     福井 俊彦君

   (日本銀行理事)     稲葉 延雄君

   (日本銀行理事)     水野  創君

   財務金融委員会専門員   鈴木健次郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 関税暫定措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)

 財政及び金融に関する件

     ――――◇―――――

 

○鈴木(克)委員 

  次に、消費者金融問題についてお伺いをしていきます。

 自己破産件数は、二〇〇二年、二十一万四千六百八十三件、二〇〇三年、二十四万二千三百五十七件、そして二〇〇四年には若干減少してはおるものの、依然としてこの自己破産件数というのは増大をしております。しかも、長期かつ複数の業者から借り入れをしておる多重債務者の数というのは百五十万から二百万人とも言われておるわけであります。

 警察庁の調べによると、経済・生活苦による自殺者数は、二〇〇三年度は八千八百九十七人、二〇〇四年度は七千九百四十七人と、まさに高い水準にあります。京都弁護士会等が実施した路上生活者に対する聞き取り調査によると、実にその八割から九割が、多重債務が原因で、自宅に戻れず路上等で生活するようになったということであります。そして、長期の借金生活が債務者や家族の心を疲弊させ、離婚や児童虐待を引き起こしたり、財産犯を中心とした、いわゆる犯罪の動機にもなっておる。

 このように、多重債務問題というのは、多重債務者本人にとどまらず、その家族や親族をも巻き込む大変な事態になっておる、まさに深刻な社会問題であるというふうに思うわけであります。

 そこで、この消費者金融問題と、後でまた損保の不払い問題についてもお伺いをしていきたいというふうに思いますが、まず、その消費者金融の背景となっておる資金源から私は伺ってまいりたいというふうに思います。

 銀行及び生保各社は、消費者金融に対して多額の貸し出しを行っている。これは、我が党が要求した資料によって、もう既に明らかになっております。主要五行が消費者金融業者大手六社に対して貸し出しをしている額は二千二百三十九億円、信託銀行四行からは五千七百七十九億円、地方銀行からは三百八十九億円、生保大手七社からは三千三百三十四億円、合計一兆一千七百四十一億円と、一兆円を大きく上回っておるわけです。これだけの額の貸し出しをしておれば、年間の貸出利息というのは数百億に上るのであろうというふうに思います。

 銀行及び生保各社が高い金利の貸し出しを求めてこういったところへお金を出すというのは、ある意味では当然ではないのかなというふうに思います。貸付金を一兆円以上もつぎ込んで、その上、すべての大手業者に役員も送り込んでおる。これでは、消費者金融は銀行及び生保の手先と言われても仕方がない。これはやはり、おいしい貸付先であり、下請になっておると言えると思います。

 資料を見る限りでは、役員への天下りは銀行系及び生保系のみで、官庁出身者はいないということになっておるんですが、そこでお尋ねするわけですけれども、本当に官庁出身者の天下りはないのか。官僚が一たん銀行等に天下って、そこから消費者金融業者に再び天下っているという例はないのか。先ほどの資料の中では、銀行からの天下りが二十六名であったというふうに出ておるわけですけれども、本当にこれは各銀行からの生え抜きだけであったのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。

 

○中江政府参考人 先生御指摘の資料に掲載されております二十六名の方につきまして、各社の有価証券報告書の役員の状況を確認した限りにおきましては、官庁出身者は見当たらないところでございます。