131-参-中小企業対策特別委員会-3号 平成06年11月11日

 

平成六年十一月十一日(金曜日)

   午後一時三分開会

 

 

   参考人

       日本商工会議所中小企業委員会副委員長     中西 真彦君

       全国商工会連合会相談役     芦田 完治君

       全国中小企業団体中央会副会長  大河内信行君

       全国商店街振興組合連合会理事長        山本 勝一君

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 本日の会議に付した案件

○中小企業対策樹立に関する調査

 (中小企業の現状と課題に関する件)

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○参考人(山本勝一君) 規制緩和で、いわゆる自由経済といいますか、今そういう方向に国自体も経済関係におきましては原則自由、例外規制というようなお話でございますけれども、全く自由放任になったときには一体どうなるのかなということになりますと、適者生存という面もございますが、はっきり言って弱肉強食ということにもなると思うわけでございます。果たして経済の面からいけばそれもやむを得ないということになるかと思いますけれども、中小零細といえどもやはり生きていくということがあるわけでございます。

 そういうことを考えますと、一般の二次産業等々につきましては、一つの技術を習得してそれに打ち込めば何とか生きられるという面もございますけれども、私ども商店関係でいきますと、大体あるメーカーがつくったものを売る、製造者がつくったものを売るということでございますので、これからそういう面につきましても特色を発揮しなきゃいかぬというふうには思うわけでございますが、なかなかこれは至難のわざでございます。

 人がつくったものを幾らかマージンをいただいて売るということになりますと、これははっきり言って大型も中小も大して変わらないということでございます。そうすると、結局は資本力によって寡占、独占ができるという業界でございますので、そういうことを考えますと現在程度の大店舗法はぜひとも存続をしていただきまして、これに基づきまして我々中小にも幾らかの商圏を与えていただきたいというふうに思うわけでございます。もちろん我々も大型店の中へテナントとして入って一緒にいくというのもございますし、全く逆の効果で、大型店から相当離れたところで店舗を展開してその地域に貢献するという面もございます。

 いずれにしましても、完全自由ということになりますと弱肉強食ということで、恐らくアメリカもそうでございますけれども、アメリカは繁栄しておりますけれども絶えずホームレスが二百万もおる。アメリカは全く自由な国ということで、そういう方々が移民をして国家をつくったということもございますので、これはアメリカでは認められるということになりますけれども、日本の場合でいけば二千何百年という歴史があり、伝統があり、そして今日に至ったということを考えますと、中小も生きる道をやっぱり与えていただきたいというのが我々の願いでございます。

 性格上からいくと、やはり大手で独占、寡占ができるという業界でございますので、そういうことを御配慮いただきまして、大店舗法で適正な調整をしていただいて中小の生きる道も残していただきたいというふうに思うわけでございます。