118-参-予算委員会-17号 平成02年06月04日

 

平成二年六月四日(月曜日)

   午前十時開会

 

  本日の会議に付した案件

○平成二年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送付)

○平成二年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送付)

○平成二年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議院送付)

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○市川正一君 この問題も結局私が質問をしている核心についてはまともな答弁は出てこないんです。結局、借地借家法の改正のねらいが土地の有効利用という名目のもとにオフィスや分譲マンションなどへの転用を促進しようというものであることは明白であります。実際に地上げ屋による追い立てが各地で横行しております。大阪や和歌山では自殺者が出ております。多くの例を私持っています。これは四月二十五日付の朝日新聞でありますが、「低家賃の木造賃貸を追われ」、家なし老人、ホームレス老人がふえているということを朝日新聞も報道しております。こういう悲劇が広がっておるのであります。

 私は、これによって結局のところ、中間報告の土地政策では大都市部分から零細な土地所有者や借地借家人は駆逐され、大企業が結局土地を買い集めて高層ビルを建てて稼いでいく。総括して言うならば、痛みは国民に、うまみは財界、大企業に、これが構造協議の実態である。こういう協議は中止し中間報告は撤回すべきであるということを主張し、時間がありませんので、私は最後に海部総理の政治姿勢全般にかかわる問題として伺いたいのであります。

 昨日の報道によりますと、総理は八月に広島、長崎での平和式典への出席に意欲的だというふうに伝えられております。これが単なるポーズでないとするならば、再び核戦争許さじの国民的悲願にこたえて、昨年末本院で可決されまた今再度我が党を含む六会派で提出しております原爆被爆者援護法の制定に賛同されるのが当然の立場と考えます。

 実際あなたは一九八六年三月に愛知県原水爆被災者の会、愛友会代表の要請に応じて、原爆被爆者援護法の即時制定要求に関する賛同署名に応じられ、それはここにあります。(資料を示す)そして捺印されています。ところが、昨年十二月の本院決算委員会での我が党諫山議員の質問に対して、署名した記憶はございませんと否定され、これは未決着のままになっておるんです。しかし、今お見せしましたように署名があるんです。私、見やすいように、決して筆跡鑑定をする意味でなしに、拡大をして持ってまいりました。私はそういう意味でこういう事実についてもう一度はっきりと確認をいたしたい。

 

○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のように、昨年突然御質問をいただきまして、私は署名をした覚えがありませんので、その署名した事実はないということをそのときお答えいたしました。それから後いろいろ調べてみましたけれども、昨年の九月に愛知県の原水爆被災者の会の田村さんという理事長が議員会館へおいでになって、援護法に署名をしろと言われたようであります。私の事務所では一応それをお預かりして、そして党の政調会の方に問い合わせてみたところ、政府・与党の方針に反するということで、これは署名してはいけないと判断して昨年の分はお断りを申し上げたのであります。

 なお、その際、おととしも署名してもらっているではないか、こういうやりとりがございました。そこで、その今お示しになったもののコピーをうちの事務所が取り寄せていろいろ調べてみましたが、私の筆跡ではございません。そのことを確認してうちの事務所が愛知県の原水爆被災者の会に御連絡をし、遠藤さんという事務局長にお電話をして事の成り行きをお話しいたしました。そうしましたら、近く上京する予定があるから今度上京したときに直接事務所へ寄ろうと言われて、去年の十月の二日だそうですが、田村理事長と遠藤事務局長がおいでになったということであります。そこでいろいろとお話しをし、一昨年の署名についても手違いがあったことをおわびしてそれは撤回をさせていただく、こう申し入れをし、理事長初めもそのことはわかって、昨年の署名をしなかったことと一昨年の分を撤回したことについて了承してお帰りになったという経過でございました。

 お騒がせしたことを申しわけなかったと思います。