61-参-文教委員会-13号 昭和44年05月06日

 

昭和四十四年五月六日(火曜日)

   午前十時十四分開会

  

  本日の会議に付した案件

○公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)

○日本育英会法等の一部を改正する法律案(安永英雄君外三名発議)

○産炭地域における公立の小学校及び中学校の学級編制及び教職員設置に関する特別措置等に関する法律案(安永英雄君外三名発議)

○産業教育手当法案(川村清一君外三名発議)

○高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案(川村清一君外三名発議)

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○安永英雄君 ぜひひとつそういった方向で指導してもらいたいと思います。

 次に、法律案の十五条の規定に基づく政令を出されるわけですが、これについては加算をされるということですけれども、その内容について説明をしていただきたいと思います。

 

○政府委員(宮地茂君) 十五条関係の政令でございますが、一つには、これは産炭地域の小、中学校につきまして、具体的に政令案の中身を申し上げますと、要保護、準要保護の児童、生徒が四十人以上いて、その数の当該学校の児童、生徒数に対する割合が三〇%以上に当たるもの。

 それから、二番目といたしまして、同和対策として教育上特別の配慮を必要とする小、中学校

 それから、ことばは多少あれですが、いわゆるスラム地区といわれるようなところ、大阪の釜ケ崎といったようなところがございます。スラム地区ということばを政令で使うかどうかわかりませんが、わかりやすく申しますと、そういった区域が通学区域内に存しております小、中学校。

 それから、四番目といたしまして、外国人の児童、生徒が一〇%以上である小、中学校、これは外国人と申しましても、具体的には韓国人、朝鮮人の関係でございます。

 それからもう一つ、教育公務員特例法で、教員は研修につとめなければならないという規定もございますが、そういう研修を受けている教員が存する学校、そういった大体五つばかりの内容のものを考えております。

 

○安永英雄君 そうすると、産炭地とそれから同和地区、あるいはスラム地区、外国人、それと長期研修の穴埋めと申しますか、そういったことに加算するというわけですが、同和地区の教育上特別配慮をする、こういった場合に大体どれくらいの地域と、どれくらいの定数を考えておられるか。

 

○説明員(岩田俊一君) 同和関係の指定の方法でございまするけれども、これにつきましては従来から明確な基準といったようなものは非常に少ないようでございまするが、考え方といたしましては、かつて総理府等で実施された調査の結果がございます。それらの基礎をよりどころといたしまして、大体県の数にしますと二十七県くらいの広がりを持っております。そういうところを対象にいたしまして実施するつもりにしておりまするが、なお詳細は目下検討をいたしております。

 

○安永英雄君 ついでに、いわゆるスラム街、それから外国人の関係、それをいまと同じような内容をお示し願いたい。

 

○説明員(岩田俊一君) スラム地区につきましてはただいま局長から御説明申し上げましたように、スラムという表現でするかどうか、これは検討を要するところでございますので、私どもといたしましてはできるだけこれを客観性を持たせるという意味合いにおきまして、建設省等でいろいろ住宅改良地区だとか、その他よくない建築の住宅等の集団する地域の調査の方法等がありますが、それらを援用して、これをきめてまいりたいと思います。大体スラム地区の存する県といたしましては大阪の釜ケ崎、東京の山谷といったところが最も代表的な、世間で知られているところでございますけれども、十県ばかりの県を予定いたしております。

 それから、外国人のほうでございまするが、これは大阪、兵庫あたりが最も多いと思いまするが、大体四県を該当の県として考えておるわけでございます。

 

○安永英雄君 産炭地の場合、いまお話がありましたように、四十人以上で、そうして三〇%、こういった数字を一応あげられておるようでありますが、まず、その数字にあらわれた教員、この数字が出てくる教員の性格、こういったものについて説明願いたいと思う。

 

○政府委員(宮地茂君) これも実は考え方といたしまして、こういう要保護、準要保護の生徒の多いそういう学校ではクラス編成を四十五でなくて、もう少し下げたら――これはまあ社会党の案にも似たあれがございますが、そういったいろいろな考え方があろうかと思いますが、ともかく一般の場合と比べまして、こういう要保護、準要保ゆる一般の地域と比べて困難であろうということが想定されます。そういう考え方からこういう措置をとろうとしたわけでございまして、大体そういう趣旨でやりましたので、先生のお尋ねが定数上教育効果がどうという、あまり測定とかいったような意味でのお答えはできませんのですが、大体そういう考え方で加算をしたということでございます。

 

○安永英雄君 私が聞いたのは、四十年ころから文部省としてようやく産災地の教育、こういったものにいろいろな面で前進的な措置をとられてきたことは、これは私も十分わかっております。わかっていますが、たとえば四十年ころから充て指導主事、こういった形ではじき出された数の結果、それに性格づけをされて充て指導主事ということで配当をされた、こういう時期があります、いまでもある。これは私は現在の産炭地の実態を知られない、だから私は聞いたんです。内容はいまから説明しますけれども、私は聞いたんです。どういう性格を持たせての教師とするのかお尋ねします。充て指導主事ということです。

 

○説明員(岩田俊一君) この規定の想定いたしましたる対象は、産炭地域におきましては、これは要保護、準要保護と御案内のように多うございます。その関係で相当現場の先生方がその関係のほうの仕事に手をとられる。しかも、いろいろな長期欠席が、まあ非行といったようなことも多いこともとれまた事実でございます。そういうことに着目いたしまして、そういうたいへん手がかかるというようなことと、そういう関係の生徒補導と申しますか、そういうような関係でほかの学校よりも教員配置上これを手厚くする必要があるであろうという観点から、こういうような実例をもちまして現場の学校に教員の定数を算定するという、こういう考えでございまして、これ自体は学校に置かれる教諭でございますから、決して充て指導主事ではないわけです。

 

○安永英雄君 そうすると、大体文部省あたりでいわれる補導教師、こういう性格を持ったものだというふうに確認してよろしゅうございますね。

 

○説明員(岩田俊一君) この法律自体は、これは定数の標準法でございますから、職名を設置するところの法律じゃございませんから、これ自体が直ちに補導教員とか指導教員とか、あるいは生徒指導主事とかいうそのものずばりでここで表現したつもりではございませんけれども、そのような実態に合わせた運用がされるであろうということは期待されておるわけでございます。

 

○安永英雄君 期待されるとか、なるほど定数の問題ですからそういう答弁かもしれませんけれども、そういったところがあらゆる地域で混乱を起こしているわけです。実際どうでも使ってよろしいんだ、こういうふうに受け取るんです。そうすると、どういうことになるかと申しますと、まだいままでの配当が数の少ない関係もありますけれども、結局これが教育委員会、地方教育委員会の事務局あるいは県教育委員会の出先の出張所、こういったところのいわゆるお役人的な仕事に充て指導主事がなってしまう。そうしてそこで何をしているかといいますと、それでも手が足りないものですから県の教育委員会の出先のあらゆる仕事を日常やっている。いままでジャンパーを着て朝八時から生徒指導を徹底的にやった優秀な先生が、お役所に行くというんで。背広を仕立てまして、そして急にお役人のような気持ちになって、そしてまたそこに行くとお役人のように取り扱われるものですから、教育委員会のとにかく人事の時期になりますと、人事の点まで入っていくような、そうして大体手が少ないものですから、何といいますか、私どもから言わせると、管理体制の強化というふうに受け取ってしまって、これはいい定数をもらったというんで、実際生徒の日常の非行とか、あるいは貧困な家庭における遊びの指導とか、あるいは就職指導とか、こういったものはとても手がつけられないような実態になっているわけです。そういう実態の中で、大体そういう学校におりまして、そしてそういった指導に当たる先生ですが、あとは県の教育委員会等でおきめになることですから――これでは私は非常に混乱をしてまいりますので、別に定数といっても文部省そこにおられるんですから、私ははっきりここのところで言ってもらいたい。これはどういう性格のものに使うんだ。

 

○政府委員(宮地茂君) 従来先生の御指摘のような充て指導主事と申しますか、そういったようなことでやっておりました者と、今回のこの教員加算のいま問題になっている者とは違いまして、今回のはその当該学校に置くわけでございます。それで当該学校で個々の指導、生徒を対象にしまして、たとえば非行の防止あるいはその事後処理、あるいは進路指導、いわゆる生活指導、生徒指導といったようなことを担当さしたいということでございます。したがいまして、ただそれだけをやる専任の教師であるということを言うのがよいか悪いかという問題は残りますが、一般の授業を持っててもよいんですけれども、趣旨は生活指導、生徒指導が本来のねらいであるということは県にも申したいというふうに考えております。従来先生が御指摘になられましたような、急にこれで加算をした、加配をしました教員を実際人事で発令をして、それがいままでとは違ったような、先生御指摘のような仕事をするというふうな誤解があるとしますれば、少なくともそういう趣旨はないということは十分各県にも徹底さしたいと思います。

 

○安永英雄君 そういう趣旨であるとするならば、私はあまりに生徒、児童の数が四十人以上、それから割合が三〇%以上というのではそういった任務ができない、この率、この数ではできないというふうに思います。ちょっと考えてみても最低三割という生徒が要保護あるいは準要保護という家庭の子供であった場合に、実際にこういった加算ではとてもできないですよ。この実例を私は申し上げてみたいと思うのですけれども、これはあまりにきびしい数字だと思います。たとえば一学級を受け持って、その中に三分の一の生徒が要保護、準要保護というものの家庭の子弟である場合に、その三分の一の子供について私は加算がついてもとてもたいへんなことだと思います。

 そこで先ほど私は申し上げたのですけれども、なかなかうまいこの率の取り方をしてあると思います。たとえば私の狭い調査範囲ですけれども、福岡県に例をとりますというと、これを二五%という数字に下げますというと、現在六十四校ありますが、これが三〇%であれば四十八校しかこれが埋まらない、中学校で五十九校、これが三〇%では四十校、こういったところで、あとわずかで一つの線が三〇%であれば、もう一息、これを二五%あるいは二〇%に下げられると相当いま皆さん方がおっしゃったような学級担任の手をわずらわさないでもある程度の校外指導とかなんとかができると思うのですが、私はこの三〇%というのはあまりに実態を知られないものじゃないかと思う。これは大臣もかつてここに来られましたし、私もずいぶん書類をつくってお目にもかけましたし、委員長も来られて十分この点見ておられるわけですけれども、この点はあまりにきびし過ぎるし、もう一息、たとえば二五%、こういったところにいきますと相当な学校に行き渡っていくというふうに考えられるわけです。

 そこで多少実情を報告申し上げてみたいと思うのですけれども、現在の新しい産炭地に対する振興策、こういったものは出されましたけれども、現在それでも廃山、閉鉱がさらに続いている。たとえば今度の石炭政策そのものは、もう山を捨てろ、やめろ、閉山、閉鉱をすすめるようなものなんだ、現に法律が通ったとたんに、特にひどいのは佐賀あるいは福岡、こういったところではもう合わせるようにして次々に閉山が行なわれております。言いかえますと、ここの要保護あるいは準要保護の家庭がますますふえていくわけです。これと、大体今日まで山が閉じておりますから、人口の移動も確かにあります。ありますが、残った学校の生徒のその中に占めるこういった不幸な家庭というのはむしろふえている。率から言えばふえていっております。非常にひどい内容になっておりますし、これは恥ずかしい話ですけれども、生徒の、あるいは児童の非行、こういったものがむしろ大臣あたりが来て見ていただいたあのころよりも質が悪くなっている、そうして数も多くなっている。こういう現状を現在呈しているわけであります。とても現在の先生の手では負えないし、こちらのほうの対策をしておると授業が欠ける、こういった状態です。たとえばごく最近私の近くのところで調べたわけでありますけれども、とにかく凶器携帯とか、あるいはけんか、あるいは物品の持ち出し、家出、不良団の参加と、こういった、特にいままで学校をサボるとか、あるいはけんかをするとか、これが非常に多かったわけでありますけれども、質的に非常に悪い状態に現在なっていっております。たとえば、昨年からことしにかけて一年間の例をとりましても、結局、非行で警察関係にとにかくお世話になったという数字が、これは一つの町村で三百一人、件数にして五百件ちょうどです。一つの町村なんです。こういう状態になっていっております。

 私もそういった地域の警察署を全部回ってみたわけでありますけれども、たとえば飯塚警察署の少年係、この人と会いました。この人は次のようなことを言っております。学級担任では授業に追われて、家庭訪問などの時間が少なく、児童の校外指導については十分やり得ない。補導専門の先生がいなくては補導が行き届かない。また、駐在だけでは自分の担当地域以外の事情はよくわからないが、補導教員は校区内全域に目が届く。補導係の先生をぜひふやしてもらいたい。この飯塚というのは大体産炭地の中心にあるところであります。

 それから小竹というところの駐在所にも参りました。ここでは、産炭地では都会で想像もできない幾多の非行内容がある。この非行の傾向は年とともに増加の一途をたどりつつある。学校教育は校外補導に手を伸ばし、その専従員を設ける必要がぜひあります。こういうふうなことも言っておるわけであります。

 それから大牟田にも行ってまいりました。大牟田ではこれは少年係の係長でありますが、現在の大牟田では補導係の先生が少な過ぎる。大牟田では若鳩会という組織があって、先生方と警察と協力して生徒の非行を防ぐ努力をしておる。しかし、先生方が授業の片手間ではどうしても授業の制限があるのでうまくいかない。もっと補導係の先生をふやしてもらいたい。こういうふうなことを言っておるのであります。

 まあこれは一応補導という、あるいは非行という面から見た点でありますが、こういった実情は非常にどこにでも産炭地に行けば拾える状態でございます。実際、現在文部省のほうで充て指導主事あるいはその他の職員を増加さしていただいておりますけれども、実際、ある学校には一人もそういう係の先生はいない。こういう実態のところでは、結局はやはり学校の中でこういった補導教員というのを二人ないし三人を予定して、それが専門に回りますけれども、結局は片手間でやっておる。したがって、そこの補導をおもにやっておる先生方とも集まっていただいて話をしたわけでありますけれども、補導のほうに力を入れれば、自分の学級担任の授業というものが結局おろそかになる。しかし、いまもおっしゃいましたように、二五%から三〇%、こういったところであれば、どうしてももう授業にならない。もう外に出ることが多い。朝早くから起きて、朝の登校――出てこない生徒を回って、登校の督促をやる、あるいは、警察ざたになりますというともらい受けということで一日じゅうかかる。書類をつくるというのでも三日ぐらいかかる。そういう仕事を盛んにやっておるわけでありますが、ぜひ教員面についての、補導をやるという先生の増加を、できれば私はもう年々これは前進をさしてもらいたいと思うんですけれども、実際に産炭地の問題は、私も一応提案をさせてもらっておりますけれども、期限を切っております。いま手を入れないと、年々と言っても、もうこれはある程度の時期にくるとどうにもならないような状態になってくるわけです。石炭政策そのものについては、石炭産業そのものについては、これはもう三十五、六年ごろからずいぶん力を入れられて今日まで来ておりますけれども、教育の問題については実は四十年ごろからしか手が入っていないのです。そして毎年、年々と言われますけれども、このまま放置しておけばたいへんなことになってしまいます。たとえば例を申し上げますと、私も二、三日前に実際に学校に行って聞いた話でありますけれども、この炭鉱が閉山になって離職をすると、こういった場合には炭鉱のほうも、会社側も退職金その他を支払うときには、その住宅を立ちのいてもらわなければならぬ。あとくされがないようにということで一切の手続を要しますが、その中に転居とそれから子供の転校というものの届けが付随していないと退職金を支払わないわけです、これがついていないと。ここまでつくと、子供がどこそこの学校へ転校するのだということがわかれば社宅はあくのだということが確認できますから、必ずそれを父兄から取るわけです。ところが父兄としてはどこへ転居したところで職はないわけですから、そしていまの住宅に、まああばら家ですけれども、入っておればただですし、光熱料も要りませんし、水道料も要らないということですからそこに居すわってしまうわけです。学校のほうの届けばすべて転校になっておる。ところが実は家族はそのままあばら家の中に入っておりますから子供もそのままおるわけです。子供はその学級でお別れをやっているわけです。どこそこにこの何々君は転校しますから皆さんとお別れしますということできちんとしたあいさつをして出ておりますから、学校には来られない。家庭におる。家庭におりましても貧しいものですから結局この子供は非行に走らざるを得ない。この前聞いて驚いたのですけれども、いま先生は一生懸命にそういった生徒を今度はさがして回らなければならない。そしてうちが貧しいし、共かせぎその他で出ていますから昼食の準備はほとんどしていない。そこで給食の時間には学校にあらわれるわけです。そして給食だけは食べまして、またいずこともなく昼休みの給食が終わると出ていく。この子供が一番こわいので、非行になるわけです。もちろん学校に籍がありませんから、厳格に言うとその学校の先生の責任ではないかもしれませんけれども、こういう生徒が多くてこれが放火をやったり強盗をやったりいろんなことをやるわけです。それについてのまず第一番の給食費ということですが、給食費も持ってきませんし、町が管理をしましても在籍数できまって来ますから、結局水でも入れて、あるいは一ぱいの食器の中に八分目入れて、来た生徒に分けてやる、こういうこともやらなければならないし、また第一、非行の保護もしなければならない。これは一例ですけれども、そういった現在現状になってしまっておる。

 そこで、先ほど申し上げましたように、私も県の教育委員会等とも一緒に回ったわけですけれども、いまの三〇%という形で切られますというと、これはあと相当な、カウンセラーといいますか補導教師のいない学校もできてくる。いまおっしゃいましたように、充て指導主事ではない、あくまでもその学校におってその学校のという問題でありますが、第一、その学校で、最低限切ってある三〇%の生徒、そういった貧しい保護家庭の子供であるといった場合には、あとでも申し上げますが、事務的にもたいへんな仕事なんです。こういったことで、この数はもう少し下げられないものか。これはもちろん先の話で、この法案が通って政令ができるということですけれども、いまは率直に政令の内容も言っていただいたわけですけれども、私はいまこそ飛躍的にといいますか、抜本的に、漸次前進をさせていくというのではなくて、いま特効薬を与えないというと、これはもうだめな時期がきているのじゃないか。それにはあまりにも三〇%というふうなとり方でやりますと、三〇%、二五%、二〇%とかいう貧しい家庭の子供がおる、とういったことはざらですから、そういったところにはやっぱり置かないと、三〇%以上しか置けないのだという、これは私はいまの現実をあまり知られないのじゃないか、こんなような気がして、多少長くなりましたけれども、意見を加えて、との三〇%というのは、この法案ができて、さらに政令を検討されるときには、もう少し考える余地はないものかという問題についてお聞きをいたしたいと思います。

 

○政府委員(宮地茂君) 先生のおっしゃいますことも十分私どもも先ほど来お聞きいたしましてよくわかるのでございますが、何ぶんにも四十四年度の措置といたしまして、大体ここに十五条から出てまいります政令の項目が五つ、先ほど来申しましたようにございます。その五つのうちの一つをいま先生がおっしゃっていただいたわけですが、それに焦点を合わせまして、先生がおっしゃいますように直しますと、その他の同和地区なり、あるいは外国人、スラム街、そういったところも勢い減らさざるを得ない、こういうようなことにもなりますので、結局はまあこれが理想的な数字でないということに帰するわけでございます。まあそういう意味から私どもとして今後の努力も大いにしたいということは心から感じておるのでございますが、何ぶんにもこの法律を都道府県は四月一日から待ちあぐんでおりますので、法律がきょうにでも通りますれば、きょうにでも政令を出しませんと、大体今年度の予定は各県でも心組みをしてやっておりますので、十分お気持ちはわかりますが、今後の検討課題ということでは私どもも検討したいと思いますが、先ほど申しました政令、まだ出ていないものを私から申し上げるのも恐縮ですが、固執するようで恐縮ですが、一応五つの項目を見ての考え方でございますので、御了承いただければ幸いだというふうに感じております。それと、なお、これはいわずもがなでございますが、中学校のほうにおきましては、十八学級以上の中学校に一人ということが、生徒、児童ということで考えておりますのが七条の三号にもございますし、そういうことで私どもとしましては将来の検討課題ということで検討さしていただきたいと存じます。