159-衆-国土交通委員会-8号 平成16年03月31日

 

平成十六年三月三十一日(水曜日)

    午前十時五分開議

 出席委員

   委員長 赤羽 一嘉君

   理事 今村 雅弘君 理事 衛藤征士郎君

   理事 橘 康太郎君 理事 望月 義夫君

   理事 大谷 信盛君 理事 奥村 展三君

   理事 玉置 一弥君 理事 高木 陽介君

      岩崎 忠夫君    江崎 鐵磨君  江渡 聡徳君    梶山 弘志君

      河本 三郎君    櫻田 義孝君  島村 宜伸君    田中 英夫君

      高木  毅君    中馬 弘毅君  中野 正志君    二階 俊博君

      能勢 和子君    野田  毅君  古屋 圭司君    保坂  武君

      増田 敏男君    松野 博一君  村田 吉隆君    森田  一君

      渡辺 博道君    岩國 哲人君  内山  晃君    岡本 充功君

      下条 みつ君    須藤  浩君  寺田  学君    中川  治君

      長安  豊君    伴野  豊君  古本伸一郎君    松崎 哲久君

      松野 信夫君    三日月大造君  室井 邦彦君    山岡 賢次君

      若井 康彦君    佐藤 茂樹君  穀田 恵二君    武田 良太君

    …………………………………

   国土交通大臣       石原 伸晃君

   国土交通副大臣      林  幹雄君

   国土交通副大臣      佐藤 泰三君

   国土交通大臣政務官    佐藤 茂樹君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        細野 哲弘君

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         門松  武君

   (国土交通省総合政策局長)            澤井 英一君

   (国土交通省土地・水資源局長)          伊藤 鎭樹君

   (国土交通省都市・地域整備局長)         竹歳  誠君

   (国土交通省道路局長)  佐藤 信秋君

   (国土交通省住宅局長)  松野  仁君

   (国土交通省鉄道局長)  丸山  博君

   (国土交通省自動車交通局長)           峰久 幸義君

   (国土交通省海事局長)  鷲頭  誠君

   (国土交通省港湾局長)  鬼頭 平三君

   (国土交通省航空局長)  石川 裕己君

   (国土交通省政策統括官) 矢部  哲君

   (海上保安庁長官)    深谷 憲一君

   (環境省地球環境局長)  小島 敏郎君

   (環境省環境管理局長)  西尾 哲茂君

   参考人

   (都市基盤整備公団理事) 古屋 雅弘君

   国土交通委員会専門員   飯田 祐弘君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第五四号)

 油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案(内閣提出第五五号)

 高速道路株式会社法案(内閣提出第一一二号)

 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案(内閣提出第一一三号)

 日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第一一四号)

 日本道路公団等民営化関係法施行法案(内閣提出第一一五号)

 国土交通行政の基本施策に関する件

     ――――◇―――――

 

○中川(治)委員 一つそういう観点、これは関空と伊丹を航空会社がてんびんにかけられて、自由に選んだらよいというのは確かにそうなのかもしれませんが、空港としては基礎が違うんですね。要するに、関空は株式会社、そして伊丹は国直営、これに今度は神戸市営という神戸市直営の空港というのができてまいります。要するに関西に三つの空港ができる。これは何回か指摘をされているかもしれませんけれども、一つの大都市で国営と市営と株式会社、空港の経営形態が三つとも違うというようなことをやっている町はどこにもないんですね。

 ロンドンの場合はBAA、株式会社で、大体一本で三つの空港を経営している。パリの場合はパリ空港公団が、これもシャルル・ドゴール空港を初めとして三つの空港を経営している。みんなそうですね。ベルリンもBBI、一つの民間会社で四つの空港を経営している。あるいはニューヨークの場合は、ニューヨーク・ニュージャージー港湾局、これがケネディ空港だとかニューアーク空港だとか、これは全部同時、同じ形で経営をしている。日本だけが東京、大阪、全部違うんですね。

 これで果たしていいんだろうか、こんなことで本当の意味で都市における空港整備ということができるんだろうか。そのかわり日本は、国の直営の飛行機についてはどんぶり勘定しているんですね。私、これだったら、都市ごとに空港、関西だったら三つの空港、これでどんぶり勘定せいよ、その方がまだ合理的だし、計画的にいけるんじゃないのかな、そんなふうにも思っております。

 ただ、きょうはもう答弁いただきません。これからの空港のあり方ということについて、多分、変えていかないかぬというふうに思ってはると思いますので、三つの空港、東京でもそうですね、そういうものについての運営のあり方ということについて、ぜひ真剣に御議論をいただきたい。三つの空港を同じ経営主体でなければ本当の意味で役割分担や有機的なつながりというようなことはできない、私はそんなふうに思っております。きょうはもう答弁はいただきませんけれども、ぜひ御提言をしておきたい、そんなふうに思っております。

 もう時間がございませんので、一つだけ、先ほど申し上げました行政の福祉化ということについて、大臣に一問だけお願いをしたいと思います。

 例えば、都市公団の住宅、団地、これが全国に約八十万戸ぐらいあろうかと思います。これの例えば剪定作業だとか団地内のいろいろな軽作業、こういう作業だけでもざっと二百億円ぐらいの仕事になっておるはずです。

 こういうことをなぜ申し上げますかといいますと、大阪では、今お金がないものですから、どんどん福祉の給付金を削ってまいりました。私も府議会時代は削れという急先鋒でもありました。ただ、削るだけではだめで、行政としてできることはできるだけやっていこう。何を始めたかといいますと、例えば庁舎内の清掃、これを知的障害者の皆さんに職場として開放していこうじゃないか。お金は削るけれども仕事を提供しよう、そういうことを始めました。そして、今はもう大阪府庁から大阪市役所も、大阪府立の公立の病院ほとんどがそんな形で、障害者に仕事を出していこうということをやっております。

 ぜひ、私は実は府議時代には福祉の中川だと言われて、あんた、それが何で国土交通委員会なんだ、こういうふうに聞かれましたので、私はいつも言っております。これからの福祉の本場は、主戦場は国土交通委員会なんや、国土交通省がお持ちの施設と土地、それから出している仕事、委託事業、こういうものの中に、障害者雇用、あるいは、大阪でいえば、ホームレスの仕事、母子家庭の仕事、そういう人たちに向ける仕事を創出できる力を持っているのは国土交通省や、だから私は国土交通委員になったんだ、こういうふうに申し上げております。

 それを、あらゆる部局の仕事と、委託事業とか施設をどんどん福祉に活用していこうということを国土交通委員会としても大きなテーマの一つとして、これからぜひ御検討いただけないだろうか。少しでも検討いただいたら非常にありがたいと思いますし、大阪ではそういう受け皿ができております。

 ですから、大阪で一度モデル的に国土交通省としてもやってみようじゃないかということであれば、すぐにでも受け皿を持ってお伺いをいたしますので、ぜひ御協力をいただきたい。そんな思いで、一言だけ大臣の、担当の方には趣旨を御説明させていただいておると思いますので、ぜひ、最後に御答弁いただいたらありがたいと思います。

 

○石原国務大臣 中川委員が大阪の府会時代からこの問題に取り組まれているというお話は聞かせていただいておりましたし、私も、基本的には、方向性としてすばらしいことではないかと思っております。

 ただ、一点、気になりますことは、障害者の雇用就業を行う事業の活性化ということで、障害者基本法に基づいて閣議決定している文言の中に、国の行う契約の原則である競争性、経済性、公平性等の確保に配慮しつつ、官公需における障害者多数雇用事業所等及び障害者雇用率達成への配慮の方法について検討すると言っている。この意味するところは、やはり原則は一般競争入札で、安く、だれでも公平にその事業に参画することができるというこの大原則を守りつつ、委員の御指摘の点にどういうふうに配慮することができるのか。

 もう既に委員御承知のことだと思いますけれども、国営公園で草花の苗を購入したりするときに、障害者就労施設の皆さんのところから購入させていただいたり、国営公園の中でのイベントのところで、障害者就労施設の方々に率先してお土産を販売していただいたり、できる範囲内で国交省も努力しておりますが、今言いました一般競争入札の大原則を守りつつ、委員の御指摘にどうやって対処していくのか、じっくり研究させていただいて、いい御提案だと思いますので、検討させていただきたいと思います。

 

○中川(治)委員 ぜひ検討いただきたいと思います。

 実は、大阪府の方では、私も府議時代から、例えばこんなのがありますね。畳、ふすま、府営住宅を入れかえるときにも、大体一軒当たりふすまの張りかえが五、六枚あるんです。これを一生懸命やっている障害者の人がいてる。そうしたら、随契で仕事を出してしまえということができるかどうか。国の目を盗まぬとこれは無理やで、こういう話もありまして、いろいろ我々も検討しております。ただ、いいことは思い切ってやっていこう、本来なら、国に相談せぬでも地方自治体に任せますわということで、そういうシステムが一番いいんだろうと思うんですけれども、なかなかそういう現状でもございません。

 あるいは、土木事業でも、入札で五億受けたら、一億につき、例えば毎日五人ぐらい釜ケ崎のホームレスの労働者を雇えよというようなことを条件つけられへんやろか、これはだめなんですね、国がだめと言うんです。

 そういうことも含めて、本当の意味で、効率性だけでいいのかということも含めて、もうぼちぼち考え直す時期ではないのかなと私は思っております。ひとつじっくり御検討いただきまして、資料をよこせということやったら、すぐに飛んでまいります。

 どうも、きょうはありがとうございました。