野宿者の生存権を訴えて

ー戎橋から道頓堀に投げ込まれ溺死させられた藤本さんの一周忌ー

昨年10月18日、野宿していた戎橋の上から、2人の青年によって道頓堀に投げ込まれ、溺死させられた藤本さんの一周忌が、事件現場の戎橋の上で、一時間半にわたって営まれた。野宿を余儀なくされている人、釜ヶ崎の労働者を中心に、道行く人も参加して祭壇の周りには200人を越える人垣ができた。

ふるさとの家本田神父(当会監査役)は、次のように哀悼の言葉を述べられた。記憶に基づいて記録する。従って文責は記録者(松繁)にある。

『野宿を余儀なくされていた藤本さんが、二人の青年のオモチャにされ、溺死させられて一年になります。昨年も、この場に祭壇を設け、藤本さんの死の悲しみを、多くの人と共にしました。

しかし、今年になっても、野宿を余儀なくされている人々は、若者たちによって襲われ続けています。日本橋を中心に、30人以上の人が被害を受けています。

テレビでは野宿者連続襲撃事件の感想を求められた若者が、「野宿しているのは怠け者だから」といっていました。本当に野宿している人は怠け者なのでしょうか。野宿をしているのは、働きたくても仕事がないから、あるいは、働きたくても体がついていけないからです。

人件費を安く押さえたいがために労働者を使い捨てにするゼネコンやそれに迎合する行政が原因で不況や体を悪くすると野宿せざるを得なくなるのです。

仕事のことだけではありません。福祉事務所は生活保護法に反して、65歳にならないと生活保護をかけようとはしません。働けず、生活保護も受けられない人たちが、段ボウル等を集めて売り、わずかなお金を得て路上で生活しているのです。その過酷な生活は死と向かい合っています。西成区役所の行路死の数がそれを物語っています。

必要なのは、哀れみでなく、仕事であり、法通りの生活保護の適用なのです。

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